定年退職と「停年退職」。


 今日は夕方から職場の定年退職者&転勤者の送別会があった。主賓が数人になるためどうも焦点が定まらない感じがして送られる方々に申し訳ないような気がする。


 家路を急ぐ電車の中で友人からのメールに気づく。友人は先週ロンドンに行ってきたのでお土産にウイッタードの紅茶を送ってくれるとのこと。ありがたい。


 駅ビルの本屋へ。

 「『婦人公論』にみる昭和文芸史」は森さんが『婦人公論』での連載をまとめたもの。中公新書ラクレの違いがよくわからないので、これがなぜ中公新書の方ではいけなかったのかがよくわからない。
 「うるわしきあさも」は庄野潤三さんの流れで興味を持っていた未読の作家阪田寛夫さんの短篇集。


 帰りのバスでは「堀井憲一郎ずんずん落語」3月7日分を聴く。話題は三遊亭円楽師匠の引退宣言について。引退のキッカケとなった「芝浜」を国立演芸場で聴いた堀井さんの感想が詳しく語られている。


 帰宅するとポストに先日目録で注文した「筑摩書房の三十年」が入っていた。早速包みを開いて本を取り出す。箱の色合いと紙質、そして“筑摩書房の三十年”という表題の印刷のノリ具合などがとてもいい。本を箱から取り出してパラパラと眺める。この本で筑摩書房のマークの中の動物が鷹であることと、それをデザインしたのが昭和15年の青山二郎氏であることを知る。


 昨日の読売新聞の読書欄で今月の河出文庫新刊として出た源氏鶏太「停年退職」を取り上げていた。これの元本が手元にあるのだが、朝日新聞社から昭和38年に出た単行本で佐野繁次郎装幀だ。先日本屋で見た河出文庫のカバーは平凡なイラストをあしらった装幀であった。できれば単行本の装幀を踏襲して欲しかった。この単行本は去年秋の一箱古本市でサノシゲ食堂の1冊として出品し売れ残ったもの。GWの外市の一箱でもう一度登板させてみようかと思う。