今日は一日野外仕事。朝の雨もすぐに上がり、カーッという谷岡ヤスジ風の直射日光が照りつけてくる。あっという間に顔が真っ赤に日に焼けた。
退勤後、本屋へ。
新潮選書の棚に小谷野敦「日本売春史」を見つける。これは新潮社の『考える人』に連載されていたもので、初出で読もうと思えば読めるのだが、あとがきに大幅加筆とあるため、やはり本で読もうかとも思う。著者の写真が指に挟んだタバコから紫煙が立ちのぼっているものであるのが氏らしい。
今日は見送り、文庫の棚へ。
今日の昼食には職場持ちでシューマイ弁当(740円)が出た。なので、743円(税別)のこれを買う。
昭和三十五年に中央公論社から出た同名の単行本の初文庫化。表題作の小説の他に晩年のエッセイ4編が入っている。
- 作者: 谷崎潤一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/09/22
- メディア: 文庫
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夕食をとりに入った中華料理屋で「夢の浮橋」から「文壇昔ばなし」を読む。谷崎が泉鏡花のとり鍋を食べてしまう話や、荷風・芥川・辰野隆が島崎藤村を嫌っていた話など短いながらも興味深い話題が多い。
店を出てバス乗り場へ向かう。駅前の工事現場に置かれている二機の大型クレーンが左右対称の逆ハの字型にその腕を夜空へ広げているのに出くわす。ちょうど二本の腕の中へ玉のような満月が入り込むように浮かんでいる。一瞬それがピンボールゲーム機のように見えた。
帰宅すると『彷書月刊』10月号が届いていた。特集は“本の虫”。執筆陣が豪華だ。谷沢永一、河内紀、鈴木地蔵、目黒考二、川本三郎、松本八郎、樽見博、林哲夫等の各氏。面白そう。
坪内祐三「考える人」から神谷美恵子、長谷川四郎、森有正の章を読む。坪内さんも大好きだという長谷川四郎「張徳義」を僕は高校時代の現代文の教科書(筑摩書房)で読んだ。夏休みの読書感想文の課題図書であった。天の邪鬼の僕は普通に感想文を書かず、作品で省略されている最後の一夜のシーンを想像で再現するという暴挙に出たのだが、担当教師からは何のリアクションもなかったな。
坪内さんが長谷川四郎入門として読んだという「長谷川四郎の自由時間」(土曜美術社)は以前に古本で購入しているはず。探してみるか。