本と本郷焼きを買う。


 この土日月の3連休も相変わらず仕事。

 土曜日は、朝から夕方にかけて僕が担当する20名以上の人々に資料を示してあれこれと報告をする。昼食の時間を挟んで次から次へと訪れる人たちをちぎっては投げ、ちぎっては投げという感じ。年に数回の仕事だからいいのだが、こんな人当たりがするような仕事は苦手だし、とても疲れる。
 日曜日は午後から屋内仕事。午前中はゆっくりできるので助かる。8時に起きて、朝風呂に入りながら、ラジオクラウドで講談師の神田松之丞のラジオ「問わず語りの松之丞」を聴く。この人の芸人としての資質に「うん、うん」と納得しながら楽しんで聴いてしまう。朝食はトーストとフライパンでこんがり焼いたベーコンと目玉焼き。溜まっていたワイシャツをクリーニングに出してから職場へ。まだ梅雨と言い張っているのかと悪態をつきたくなるような強い夏の太陽に照らされながら職場へ着くともうシャツは汗まみれ。すぐに仕事着に着替えて屋内仕事。夕方終了。暑さにぼんやりしながら帰宅し、テレビで「ブラタモリ」と「SHERLOCK4」の第2話「臥せる探偵」を観て夜が終わる。「SHERLOCK」はもうやりたい放題という感じで楽しい。来週でシーズン4が終わってしまうのは残念だ。


 今日は午前中に屋内仕事。朝から職場へ。まだ朝の気温が高くならない時間帯の通勤は楽。ただし、汗はやっぱりかいてしまうけれども。昼過ぎに屋内仕事を終えて、着替えて冷房の入った自分のデスクに座ってしばらくぼうっとしてしまう。2時過ぎに職場を出る。このまま仕事だけで終わってしまうのもシャクなので、のんびり座って読書をしながら神保町に向かう。暑さに対する疲労からか、結局本はあまり読まずに車内で眠り込む。

 東京堂書店で地元で買えなかった本をまとめ買い。

日常学事始
蔵書一代―なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか
真書太閤記


 


 魚雷さんの本は先日出た南陀楼さんの本と同じ山川直人さんのイラストをカバーに使っていてとても目を惹く。グレーのイラストに題と著者名が明るい緑という配色もいい。

 紀田さんで「蔵書」についての本となれば買ってしまう。平台にサイン本が積まれていた。紀田さんも東京堂書店が似合う書き手の一人だろうな。自宅マンションの一室に本棚を入れて書庫という扱いにしているが、やはりそれではまかないきれず、本は日々他の部屋にも増殖している。本好きは皆この「蔵書増殖問題」に頭を痛めているのだろう。

 安吾本は文庫サイズの本。レモンイエローのカバーが目に楽しい。この未完の歴史小説は全集では気軽に読めるが、文庫では難しい。昔の角川文庫には入っていただろうか。「信長」や「二流の人」もそうだが、安吾歴史小説は面白いと思う。



 もう3時を過ぎているというのに昼食をまだ食べていない。休日返上で仕事をしているのでちょっと贅沢な食事にしようと思い、神保町交差点の新世界菜館に入る。マツコと有吉の「怒り新党」で紹介していたカレーがここにあるのだ。テレビで紹介される前にも一度食べに来たことがあるが、ずいぶん前なのでどんな味だったかよく覚えていない。豚の角煮カレーやカツカレーがあり、カツカレーを頼む。テレビで紹介されていたのは角煮の方だったと思うが、へそ曲がりなので敢えてカツカレーにいってしまうのだ。出された皿を見て、そのボリュームにちょっと驚く。こんなにたくさんのライスをここ数年食べていない。もちろん、もったいないので完食する。味云々の前にその量を全部食べたことに気持ちがいって味はあまり印象に残らなかった。


 満腹の腹を抱えてディスクユニオンへ。ジャズの中古レコードを3枚。

  • OSCAR PETTIFORD「THE OSCAR PETTIFORD IN HI-FI」
  • J.J.JOHNSON「BLUE TROMBONE」
  • BILL EVANS「HOW MY HEART SINGS!」

コンプリート・オスカー・ペティフォード・イン・ハイファイ
ブルー・トロンボーン
How My Heart Sings!


 本とレコードを抱えて地元駅に帰ってくると駅ビルの前の特設展示コーナーで陶器を売っていた。その中に“会津本郷焼き”という文字を見つけて足を止める。母親が会津の出身だったため、実家のコーヒーカップは全部会津本郷焼きであった。僕にとって陶器は有田でも益子でもなく会津本郷だった。一人暮らしを始めてから身近に本郷焼きのものを持つことはなかった。懐かしさにちょっと大きめのマグカップを一つ買う。外は飴色の塗り薬で艶やかに輝き、中は素焼きの地肌を思わせる白地になっている。昔使っていたものに比べるとずうっと洒落たものになっているがその佇まいは紛うことなく会津本郷焼きである。


 帰宅して買って来たレコードを聴きながら、マグカップにカフェオレを入れて飲む。