図抜け大一番読みかけ型。

 久しぶりの雨の日は寒い一日だった。


 職場の机がある部屋は暖房温度が低めに設定されているためスーツのジャケットを着ていてもどこか寒く、部屋を出た廊下に至ってはまったく暖房が入っていないため外にいるのと区別がつかない。


 夕方、雨の中を来客があり、その応対を終えたらなんだかくたびれてしまい退勤する。


 本屋へ。仕事の本を買う。夕食を食べに入ったうどん屋でけんちんうどんをすすっている時に、小谷野敦氏の新刊であるベスト新書をチェックするのを忘れていたことに気づく。明日は忘れないようにしなくては。


 帰宅して、オイルヒーターのスイッチを入れ、加湿器代わりのアロマディフィーザーのボタンを押し、廉価版ブルーノート5000番台シリーズの1枚であるこちらを聴く。女性ピアニストであるユタ・ヒップを描いたと思われるこのジャケットの絵のタッチはどこか古のアニメーション「妖怪人間ベム」の雰囲気をたたえている気がするのは僕だけだろうか。

ザ・ユタ・ヒップ・クインテット

ザ・ユタ・ヒップ・クインテット


 ポストに届いていた出版ダイジェスト『白水社の本棚』のコラム「愛書狂」を読むと、吉田健一の棺には読みかけであったクリストファー・サイクス「イーヴリン・ウォー伝」が入れられ、石川淳の場合は荘子、ミショー、ヴェルレーヌ選詩集の3冊であったとある。もし、家族が僕の棺に読みかけの本を入れてやろうと考えたとしたら、今いる部屋と同程度の大きさがいるなあと根気と持続力のない自分にあきれる。




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 1月16日・17日の外市に伴健人商店が出品する本は以下の通りです。


【単行本】

小林信彦「うらなり」
川本三郎マイ・バック・ページ
西村賢太「どうで死ぬ身のひと踊り」
矢作俊彦「新ニッポン百景」
窪島誠一郎「絵画放浪」
吉田時善「こおろぎの神話 和田芳惠私抄」
佐山一郎「雑誌人間」
木内昇茗荷谷の猫」
宮脇俊三「時刻表2万キロ」
中野翠「おみごと手帖」
嵐山光三郎「口笛の歌が聴こえる」
グレゴリ青山「グ印関西めぐり濃口」
小坂俊史「中央モノローグ線」
常盤新平アメリカの編集者たち」
西原理恵子「上京ものがたり」
大竹聡「中央線で行く東京縦断ポッピーマラソン
西村賢太「二度とはゆけぬ町の地図」
植草甚一鬼平対甚一」
ポール・コリンズ「古書の聖地」
川本三郎編「映画監督ベスト101」


【新書】

京須偕充「とっておきの東京ことば」
アレクサンドロ・バリッコ「絹」
アントニオ・タブッキ「遠い地平線」
岸本佐知子「気になる部分」
『ねこ新聞』監修「猫は魔術師」
トレイシー・シュヴァリエ真珠の首飾りの少女」
泡坂妻夫「大江戸奇術考」
谷沢永一渡部昇一「大人の読書」



【文庫】

中野好夫「人間うらおもて」
黒川鍾信「神楽坂ホン書き旅館」
小谷野敦恋愛論アンソロジー
伴田良輔「独身者の科学」
加藤周一「高原好日」
つげ義春「貧困旅行記
久保田二郎「ニューヨーク大散歩」
唐沢俊一「カラサワ堂怪書目録」
高橋克彦「新聞錦絵の世界」
黒柳徹子トットのピクチャー・ブック」
高橋丁未子「羊のレストラン」
山口瞳「酒食生活」
上野千鶴子「スカートの下の劇場」
村松友視幸田文のマッチ箱」
南方熊楠南方熊楠コレクション?」
スコット・フィッツジェラルドマイ・ロスト・シティー
マルグリット・デュラスヴィオルヌの犯罪」
荒俣宏日本橋異聞」
岩本素白東海道品川宿
田中小実昌アメン父
内田百鬼園「鬼苑横談」
草野進・編「プロ野球批評宣言」
ドストエフスキイドストエフスキイ前期短篇集」
ドストエフスキイドストエフスキイ後期短篇集」
谷川俊太郎「写真集50本の木」
加東大介南の島に雪が降る
植村鞆音直木三十五伝」
モーパーゴ「ペンギン・ブックス」
山村修「禁煙の愉しみ」
松浦弥太郎「本業失格」
幸田文「北愁」
江國滋「絵のない似顔絵」
坂口安吾桜の森の満開の下
嵐山光三郎「ごはん通」
谷川俊太郎和田誠「ナンセンス・カタログ」
菊地敬一「ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を」
上野千鶴子上野千鶴子が文学を社会学する」
ルイス・キャロル鏡の国のアリス
Q.B.B.「中学生日記
J・バーナード「スクリーン・デビュー」
森繁久彌「わたしの自由席」
新藤兼人「小さな窓から」
杉浦日向子「東京イワシ頭」
紀田順一郎「世界の書物」
紀田順一郎「読書の整理学」
金井美恵子「彼女(たち)について私の知っている二、三の事柄」
高橋義孝「現代不作法読本」
横尾忠則「名画感応術」
林えり子「この結婚」
東浩紀「郵便的不安たち#」
開高健・編「それでも飲まずにいられない」
和田誠「にっぽんほら話」
福田和也「超・偉人伝」
本橋信宏裏本時代」
田山力哉アメリカンニューシネマ名作全史2」
栗本慎一郎「反文学論」
金子光晴「金花黒薔薇艸紙」
文藝春秋編「洋画ベスト150」
尾崎秀樹「デザートは死」
村上春樹中国行きのスロウ・ボート
都筑道夫「猫の舌に釘をうて」
武田泰淳「富士」
吉行淳之介米倉斉加年「男と女をめぐる断章」
ロバート・キャパ「ちょっとピンぼけ」
杉田博明「祇園の女」
渡辺たをり「祖父谷崎潤一郎
「雑学七ヵ国語辞典」
廣澤榮「わが青春の鎌倉アカデミア
池田満寿夫「私自身のアメリカ」
山田風太郎「くノ一紅騎兵」
紀田順一郎「《新版》古書街を歩く」
四方田犬彦「月島物語」
奥野健男・監修「太平洋戦争」
みうらじゅん「青春ノイローゼ」
松本哉荷風極楽」
西脇英夫「日本のアクション映画」

【雑誌】

『別冊國文學 発禁・近代文学誌』
『東京人2000年7月号』(特集 路面電車
村上春樹がわかる。』(アエラムック)