ワイルド・イズ・ノット・マイン。


 昨日の土曜日は2週連続で出張野外仕事。

 朝4時起きで風呂と朝食を済ませ、5時半前に家を出る。雨は夜のうちに上がっていた。まだ空には薄いが色濃い雲が棚引いているけれども、街と雲の間に隙間があって、そこから朝明けの茜色の空が見える。空気は湿度はあるが、しんと冷えていて気持ちがいい。空を見ながら駅への坂道を歩いて行く。


 気温は思ったほど上がらず、雲もはれず肌寒い一日を野外で過ごす。朝9時から夕方5時まで昼食の弁当を食べる10分ほどを除くとほぼずうっと立ち仕事。やはり年々体はキツくなるのは否めない。しかも、前日に今日連れてくるはずの人員4人が職場の処置で急遽ストップがかかり、こちらの計画の大幅変更を余儀なくされる状況では、気持ちもなかなか前向きにはならない。それでも最低限これだけはと思っていた仕事は思い通りの結果を出せたので少し救われた気分になった。


 帰り道の横浜駅有隣堂に寄る。今日1日寒い中を頑張ったので本くらい買ってもバチは当たらないだろう。


 探している2冊もここならあるだろうとあちらの棚こちらの棚と探しまわるが何故か見つけることができない。あきらめるのも癪なのでいつもは使わない検索機を使ってみる。すると1冊はさっき見た国内ミステリーの棚にあると出る。ばかな、そんなはずがと思って戻ると棚ではなくその前に平積みされていた。丁度その前に人が立っていたので死角になっていたらしい。


 遠い唇



 もう1冊は少し離れた語学書コーナーにあるということなので別ブロックまで歩いて移動。英語学習のテキストなどに混じってありました。

  • 黒田龍之介「寝るまえ5分の外国語」(白水社


寝るまえ5分の外国語:語学書書評集


 緑のカバーがいい感じ。いつも思うが“白水社”の社名の字体はいい。この字体を見るために神保町の古書会館近くにある白水社の看板の前をたまに歩いたりするくらい好きなのだ。


 夜、待望の枕本として最初の1編を読む。短いので数編読めそうだが、4時起きの体はすぐに本を放り出す。




 今日は8時起床。睡眠をしっかり取った。

 午前中はのんびり過ごす。ネット書店のhontoでKADOKAWA電子書籍50%OFFセールをやっていたので、前からに気になっていた新井英樹「真説 ザ・ワールド・イズ・マイン」全巻を半額で購入。2冊分を読む。『週刊ヤングサンデー』連載時に途中まで読んでいたのだが、その後漫画雑誌を買うことをやめたので最後まで読むことがなかった。ただ、当時その圧倒的な筆力に少し体を反らしながら読んでいたような印象があった。まさにその印象通り、いやそれ以上の暴力の嵐。これ以上読み続けるとそのパワーに圧倒されて今日1日が終わってしまうような気がしてここでよしておく。


真説 ザ・ワールド・イズ・マイン (1)巻 (ビームコミックス)




 昨日の出張でやり残した仕事をしに午後から職場へ。外へ出た途端にその寒さにちょっと驚く。


 駅前でまずは昼食をとる。寒さからカレーが食べたくなり、最近できた店に入る。“横浜家系カレーライス”を名乗っていてどんなものか気になっていたのだ。店のカウンターに座ると、「辛さはどうしましょう」と聞かれる。「普通で」と答える。辛さはあまり得意じゃない。すると店主は別の客と10倍の辛さを食べた客がどうなるかを話し始めた。それを聞きながら、「こっちはカレーにうまさを求めているのであって、刺激を求めているのではないのだがな」と思う。そこに普通のカレーが来る。食べたら確かにその名の通りカレーに豚骨醤油の味がする。カレーにその味が合うのかは食べる人次第だろうな。僕はピンと来なかったけど。



 職場で明日からの仕事の準備をして夕方退勤。いつもの本屋へ。


 語学書の棚の前で、ふと昨日のことを思い出し、目を凝らしてみると、なんと「寝るまえ5分の外国語」の背表紙が。えっ、なんで。この本をこの店で探し始めた時、数日この棚にも目を通した。その時ここにこの本の姿は確かになかった。だから、もうここにはないと決めてしまっていた。それからは評論やエッセイの棚しか見ていなかった。いったいこの本はいつここに挿されたのだろう。いつからここにいたのだろう。それと知らず何度この前を通ったのだろう。軽いショックを受け、何も買わずに店を後にする。