駅名に偽りあり。


朝、5時前に起きて出張へ。

 行った先は小田急善行駅。なにやら古本に関わりがありそうな駅名だが、古本屋は見当たらない。


 晴れて陽が出ているが、風が強く冷たい。なんとかホカロン使用で乗り切って昼過ぎに仕事終了。

 藤沢で途中下車。ひさしぶりに聖智文庫を訪ねる。
 江藤淳蓮実重彦「オールド・ファッション」(中公文庫)、上司小剣「鱧の皮 他五篇」(岩波文庫)、桑原武夫「思い出すこと忘れえぬ人」(講談社文芸文庫)、「まわりまわって古今亭志ん朝」(文藝春秋)を持ってレジへ。聖智文庫さんにご挨拶をする。外市の話などをしていると、今度藤沢の古本市に出す本を見せてくれる。ある人から仕入れたものらしいが、本に関する本を中心にとても魅力ある本がたくさん。みな美本ばかりだ。これを外市に出したら飛ぶように売れるだろう。その中から何冊か選ばせてもらう。
『広告人連邦・日本の編集長』1992年1月号、谷沢永一「読書通」(学研新書)、中村嘉人「大衆の心に生きた昭和の画家たち」(PHP新書)、常盤新平「ニューヨークの古本屋」(白水社)。『広告人連邦・日本の編集長』は各出版社社長への新春インタビュー集。聖智文庫さんのオススメだ。木滑良久(マガジンハウス)、矢内廣(ぴあ)など。


 その他に藤沢のブックオフや湘南堂ブックサーカスなどにも寄ろうと思っていたのだが、たっぷり聖智文庫で買ってしまったので、寄らずに帰る。


 それでも、地元の古本屋によってしまう。100円棚に補充あり。そこから柴田元幸「舶来文学柴田商店」(新書館)、「歓談そして空論 丸谷才一対談集」(立風書房)。その他の棚から三國一朗(編)「昭和生活文化年代記1 戦前」(TOTO出版)を。戦前の生活を30人ほどの文章と写真(木村伊兵衛)で伝えようとしたもの。三國一朗編集にそそられる。


 今日はたくさん古本を買ったぞ。ざまあみろ(って誰に言っているんだろう?)。


 夜、NHK教育の「ETV特集」を観る。“禁じられた小説”という言論統制を扱ったもの。改造社から未発表原稿として発見された織田作之助「続夫婦善哉」について紅野謙介先生が解説していた。これは読まなくてはならないな。