待ってるカリフォルニア。


 9時に起きる。


 日曜のテレビを観ながら洗濯をし、ゆっくり風呂に入る。BGMは「THIS IS Tal Farlow」(Verve)。タル・ファーロウのギターとエディ・コスタのピアノは晴れた休日の午前中になんだかしっくりくる。

ディス・イズ・タル・ファーロウ

ディス・イズ・タル・ファーロウ

 iTunes Storeで映画「グラン・トリノ」の主題歌が購入できることを知る。クリント・イーストウッドの歌が入ったバージョンとジェイミー・カラムのみのバージョンの両方があったが、二つともダウンロードする。


 午後家を出て街に向かう。本屋で気になっていた新書を1冊。

自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室 (新潮新書)

自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室 (新潮新書)

 買ったばかりの本を持って駅前のマクドナルドへ。限定販売のハワイアンバーガーを食べる。ミーハーな人間なので、テキサス、ニューヨーク、ハワイと全部食べているのだが、ハワイアンバーガーが一番好みに合うようだ。後はカリフォルニアか。これを食べれば全品制覇だ。


 地下鉄にひと駅乗る。駅のエスカレーターで前にいる夫婦の奥さんが持つビニールの買い物袋から長ネギがのぞいている。袋から長ネギがのぞいている光景なんて久しぶりに見た。


 ブックオフへ。105円棚で久しぶりに洲之内徹「気まぐれ美術館」(新潮文庫)を見つける。その他伊藤桂一静かなノモンハン」(講談社文芸文庫)など。


 歩いて家まで帰る。TSUTAYAで借りてきた「私は猫ストーカー」のDVDを観る。

私は猫ストーカー [DVD]

私は猫ストーカー [DVD]

 予想以上にストーリーのない映画だった。ハルミンさん役の星野真里がいい。セットではない本物の古本屋で撮影されているのでその映像を観ているだけで古本者としてはウハウハである。ただ、街の小さな古本屋に2人の女性バイトがいるのは多すぎるだろうと思ってしまう。交代ならともかく2人同時に店番している(しかも店主と奥さんが店にいるのだ)なんてとても贅沢な気がしてしまうのもまた古本者の性みたいなものだな。
 特典として入っている鈴木監督とハルミンさんによるロケハン(?)映像も楽しい。


 8時から「龍馬伝」を観る。その後、読書を挟んで10時から教育テレビ「ETV特集・選 須賀敦子」を。番組を観ながら、初めて「ミラノ霧の風景」(白水uブックス)を読んだ時の驚きを思い出した。


 今日読んだのは、携帯本として読み継いでいた野口冨士男「作家の手」(ウエッジ文庫)。好みでいえば前半の自伝的文章や作家のポルトレが面白い。中盤の戦前の新劇評は演劇好きの選者・武藤康史さんの好みであろう。終盤の奥さんの死や自身の死を見据えた文章は孤独がヒシヒシと伝わってくる。


 少しずつ読み進めてきた『sumus』13号も「島田孝久さんインタビュー」と高橋千代「スクラップ通信のこと」を読み、ついに読了。2000冊刷られた『sumus』も完売間近とか。保存用と合わせて2冊買ってしまったことを少し申し訳なく思う。数年後、入手困難になってから誰かにあげたら喜ばれるかもしれないなどとつい考えてしまう。