本と雨傘。


 昼に野外仕事で土手に。久しぶりに陽射しと無風が作り出す暖かみを味わう。日光を反射する川面が神々しいくらい。


 本屋で『芸術新潮』と『一個人』を買う。前者は源氏物語絵巻特集、後者は読書特集。


 『芸術新潮』には小特集として堀江敏幸氏の解説によるアルベール・アンカーの紹介が。このアンカーの絵がとてもいい。突然の雨に驚きながら一本の傘に身を寄せ合う姉と弟を描いた1枚で、姉は数冊の本を小脇に抱えている。本が濡れないか心配だ。寒風に吹き荒らされた乾燥肌のような心にジンワリしみる絵だ。Bunkamuraでの展覧会が20日で終わっているのを知り残念に思う。
 メインの源氏物語特集も見ごたえがあるし、その他に『暮しの手帖』編集長・松浦弥太郎氏のインタビューもあり、なかなか充実した内容。そう言えば、松浦氏の『群像』連載エッセイは本にならないのだろうか。一度読んでみたいと思うのだが。


 『一個人』の特集は、出てくる作家がベテラン勢ばかりなのでキレが今ひとつのような。桜庭一樹さんの存在がちょっとした救いか。


 サッカー日本代表対チリ代表を観る。ちょっと消化不良気味。

 明日は藤沢方面に出張なので、ひさしぶりにあちらの古本屋にも行ってみようかと思う。