秋来る長々し夜のSとM。


 気がつけば秋。衣更えの季節である。


 職場も衣更えということで、今日は職場の備品の整理を手伝う。


 廃棄処分になる本から好きなものを持って行っていいと言われ、次の本などを選ぶ。

 最初の4冊は白水社の“新しい世界の文学”シリーズ。装幀は北園克衛。須山静夫訳本を2冊選んだのは尾崎俊介「S先生のこと」の影響による。





 帰宅するとポストにこれが入っていた。



 「丸谷才一全集」最終巻に入っていた葉書を送ると貰える非売品だ。和田誠装幀、精興社印刷製本の遺句集。編集付記を読むと丸谷氏は自分の死後のお別れ会での配布を考えていたらしい。


 貰って来た「世界の新しい文学の展望」に載っているのは丸谷才一「通夜へゆく道」というジョイス論。1967年のこの文章から2012年の遺句集までの長い道のりを思う。