目のない日記と眠る男。


 ちょっと風邪をひきそうな予感。というより、もう体の中には風邪が居座っているのではないかという不安をぬぐえぬような肩から腕にかけての微妙な筋肉痛におびえる。


 これから仕事が繁忙期に入るため、一番戦線離脱が許されない時期になってきている。インフルエンザなんてとんでもないのだ。



 そんな疑心暗鬼な体を抱えて行くのは内科医ではなく、歯医者。年明けに急に歯が痛み出し、2週間ほど前に慌てて旧知の歯科医院に飛び込んだ。それから毎回1時間以上ガリゴリ、ベリボリとされ、本日もたっぷり1時間半もてあそばれる。



 その後職場へ戻り、8時半まで仕事をして退勤。



 本屋へ。

ku:nel (クウネル) 2012年 03月号 [雑誌]

ku:nel (クウネル) 2012年 03月号 [雑誌]


 今回は付録として第12回坊ちゃん大賞受賞作を載せた冊子が輪ゴムで挟まっていた。


 帰宅して『ku:nel』をパラパラ。「清水ミチコが聴く、10人のジャズピアニスト。」に目が止まる。10枚のアルバムのうち持っていないのは3枚。山本剛トリオ「LIVE AT THE MISTY」、山下洋輔トリオ「キアズマ」、レッド・ガーランド「レッド・イン・ブルーズヴィル」。ガーランドのアルバムは探してみようかなと思う。


 ラストに載っているエッセイは丸谷才一「クヮルテットを聴かう」。最新小説「持ち重りする薔薇の花」にからめたエッセイ。単行本は買っていないが、この小説が一挙掲載された『新潮』2011年10月号は持っている。弦楽四重奏(カルテット)を題材としたこの作品を読む時のBGMにもなるだろうと先日買ったこのCDを聴いていた所なのでタイムリー。ただ、エッセイで丸谷氏が薦めている曲でないのが残念だが。



 小説に影響されてクラシックのCDを買うなんて村上春樹作品以外では初めてかな。


 今日、ミニコミ通販のトマソン社から注文しておいたミニコミ数冊が届いた。袋を開けると『ぽかん』02号が、『てくり』13号が出てくる。うれしい。まず『ぽかん』から楽しみにしている福田和美さんの「なんでもよくおぼえている」を読む。2010年9月14日から2011年3月30日までの日記が抜粋されている。見た目は軽いがその実密度の濃い散文が読める。日記読みである僕の期待を裏切らない。


 日記はこの一文から始まる。

〈火曜日って宙に浮いている感じがする。〉


 僕の火曜日は治療した歯が疼いている感じがしている。


 布団に湯たんぽを入れ、毎晩一編ずつ読んでいるこのエッセイ集を添い寝のともに寝ることにする。風邪予防にはまず睡眠だ。


人魚はア・カペラで歌ふ

人魚はア・カペラで歌ふ

新潮 2011年 10月号 [雑誌]

新潮 2011年 10月号 [雑誌]