人生をツケで買う。

 今日は午後から都内へ出張。


 数時間会議室に籠って会議。この仕事はいわば親会社に出向しているような扱いになるため別途の日当のようなものが出るらしい。これは予想外の収入だ。期間は今年の暮れまでなのでそこそこの金額になる。となれば本を買うしかないだろうと出張終了後に神保町に寄る。



 まずは新装開店後2回目の東京堂へ。


一葉のポルトレ (大人の本棚)

一葉のポルトレ (大人の本棚)


 “みすず大人の本棚”シリーズの新刊から1冊。地元の本屋では入荷しないのだ。樋口一葉を回想した文章を集めたポルトレ集。



 続いて三省堂4階へ。



 これも地元の本屋では置いてなかった。小林信彦氏が『週刊文春』の連載で《マキノ監督へのラブレター》と呼んでいた本。





 三省堂で『scripta』をもらう。今回から新連載として木皿泉「ぱくりぱくられし」が始まっている。いつものように2人の会話体のエッセイ。ドラマ「Q10」を書くにあたって「ドラえもん短歌」(小学館)を読んだという話がいい。連載終了後にはどこかで単行本にしてくれるだろうか。



 交差点を渡って岩波ブックセンターへ。


恩地孝四郎―一つの伝記

恩地孝四郎―一つの伝記


 前から気になっていたのだが、値段を考えてなかなか踏ん切りがつかなかったこの本を今日はついに買うことにした。臨時収入はまだサイフに入ったわけではないのにいいのかともう1人の自分が語りかけてくるがそれは無視することにした。まあ、自分に対するツケということにしよう。


 レジで『図書』7月号をもらう。岩波文庫の8月の新刊をチェックすると紅野敏郎紅野謙介千葉俊二宗像和重・山田俊治編「日本近代文学短篇小説選 昭和篇1」があった。これは何冊のシリーズになるのだろう。楽しみだ。



 買った本を持って電車に乗る。気がつけば今日買った3冊はみんな人物伝の範疇に入るものだ。なにやら他人の人生をツケで買ったような気分で帰る。