コートが目にしみる。

 朝晩少し肌寒くなったので、最近手に入れたアクアスキュータムのステンカラーコートを着て出勤する。おろしたてのオフホワイトが目にまぶしい。白のステンカラーと言えば、キャロル・リード監督の映画「フォロー・ミー」でミア・ファローを尾行する私立探偵役のトポルが着ていたのを思い出す。


 昔ロンドンで買ったアクアスキュータムのオーバーを愛用していたのだが、さすがに10年着たおして草臥れてきたため今年新しいコートにバトンタッチしたというわけ。


 仕事はいつも通り、思い通りにいかないあれこれを含みながら進み、気がつけば夜を迎えていた。


 退勤して本屋へ。文春文庫の新刊が出ていたので、これを買って帰る。

  • 小林信彦「映画が目にしみる 増補完全版」(文春文庫)

映画が目にしみる (文春文庫)

映画が目にしみる (文春文庫)

 “増補完全版”となっているが、その内容は単行本「映画が目にしみる」から映画のコラム以外の文章を外し、同じく中日新聞掲載の「小林信彦のコラム」をまとめた単行本「コラムの逆襲」から映画コラムのみを抽出して合本にしたもの。作品名索引とDVD情報も入っているので、時間のある時に借りてくる映画を決めるのに丁度いい参考書になる。