CR中公新書


 昨日、今日と野外仕事。日照り攻めの次は水攻めとなかなかハードな2日間だった。


 2年前甲府に散った夢よもう一度と準備をすすめていたのだが、一番恐れていたことが今日の午前中に起こる。昨日の手ごたえがよかっただけに、何かもてあそばれているような感じ。思い描いていた絵図面はただの絵空事となる。しかし、本当につらいのはまとめ役の僕ではなく、僕の下で直接担当している若い同僚である。彼をフォローできなかった自分のこの仕事に対する適性のなさを申し訳なく思うのみ。


 横浜駅有隣堂へ寄る。新書売り場で非売品の「中公新書の森 2000点のヴィリジアン」をもらう。中公新書の通巻2000点を記念して作られた新書と同じ大きさと厚さを持つこの小冊子をただでもらうのは申し訳ないので、通巻2001番の新書を買ってレジで一緒に袋に入れてもらう。


 地元駅までの車内で「中公新書の森 2000点のヴィリジアン」を読む。やはり気になるのは179名による“思い出の中公新書アンケート”だ。ざっと見て挙げている人が多いのは「アーロン収容所」、「教養主義の没落」、「清沢洌」の3点か。自分にとっての中公新書この1冊はと考えてみる。書肆紅屋さんが杉森久英「滝田樗陰」をすでにあげておられるので、他にと探すと思い浮かんだのは斎藤兆史「英語達人列伝」。新渡戸稲造斎藤秀三郎などすばぬけた英語力をもった人たちのポルトレ集なのだが、これがとても面白いのだ。特に斎藤秀三郎には感嘆して「熟語本位英和中辞典」(岩波書店)や「斎藤和英大辞典」のCDROMを買ったりした。


 この冊子で中公新書などについている“RC”のマークが『中央公論』の英語名“Central Review”の頭文字らしいことを知る。でもそれなら“RC”ではなく“CR”ではないのかな。まあ、“CR”だとパチンコみたいだけどね。ところで、ヴィリジアンてなに?


 帰宅して昨日塩山芳明さんが送ってくれた『ゲロダク』2号から塩山さんのインタビューを読む。内容は「出版業界最底辺日記」(ちくま文庫)、「東京の暴れん坊」(右文書院)、「出版奈落の断末魔 エロ漫画の黄金時代」(アストラ)に目を通し、塩山さんのブログやBBSをチェックしている者にとっては目新しい話はなかったが、漫画屋オフィスでの塩山さんの写真が5枚も入っているのが興味深い。こういう場所で仕事をされているんですね。1枚目の横顔写真がシブく知的です

東京の暴れん坊―俺が踏みつけた映画・古本・エロ漫画

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出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代

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