線と言葉の神隠し。


 今週は先週までの慌ただしさに比べれば平穏と呼んでよい週だった。



 昨日は仕事帰りに本屋でこれらを買った。

  • ブルース・チャトウィン「どうして僕はこんなところに」(角川文庫)
  • 岡本綺堂「三浦老人昔話」(中公文庫)


どうして僕はこんなところに (角川文庫)

どうして僕はこんなところに (角川文庫)



 前者とともに角川文庫の6月の新刊を隅から隅まで眺めてみたが発売予定にあった西村賢太編「田中英光傑作選」の姿はなかった。やはりまた順延もしくは流れてしまったらしい。


 後者は“岡本綺堂読物集”の第一巻。第二巻の「青蛙堂鬼談」は10月刊行予定となっている。



 夜はふぬけのようにYouTubeで昔のシドニー五輪でのサッカー日本代表の試合のダイジェストを観たりして過ごす。あの頃の稲本の突き抜けた感じがなにかまぶしいように思える。



 今日は三週間振りの休日だ。休みの日曜のいつもの過ごし方で午前中をぐだぐだし、昼過ぎにのそのそと家を出る。



 知人のパン屋でパンを買ってからあゆみブックスへ。


猫のランデブー(猫のパラパラブックス)

猫のランデブー(猫のパラパラブックス)

猫のきまぐれ(猫のパラパラブックス)

猫のきまぐれ(猫のパラパラブックス)


 ともに“猫のパラパラブックス”の新作。仕事に追われてへろへろの気分になんだかとてもマッチするので2作とも入手する。



 職場へ行き、やり残しの仕事をあれこれと。窓を開けると外から野球をする少年たちの歓声が聞こえてくる。気持ちに余裕があれば、休日の午後を感じさせるBGMとして聞き流せるのだが、まだ先週の疲れを残した頭にはただ集中を妨げる騒音にしかならないためiPodで音楽を聴きながら机に向かう。


 今日のBGMはソニー・クラークがいた時代のバディ・デフランコのアルバム。クラリネットのほんわかした音色が気分をリラックスさせてくれる。

  • BUDDY DE FRANCO「JAZZ TONES」
  • BUDDY DE FRANCO「in a mellow mood」
  • BUDDY DE FRANCO「sweet and lovely」

ジャズ・トーンズ

ジャズ・トーンズ

イン・ア・メロウ・ムード

イン・ア・メロウ・ムード

スウィート・アンド・ラヴリー

スウィート・アンド・ラヴリー



 夕方には疲れて退勤。



 帰宅後、NHK大河ドラマ平清盛」を観ながらパスタとパンで夕食。

 阿部サダヲ信西の坊主姿はハマりすぎるくらいにハマっており何度観てもほれぼれするほどカッコいいと思う。


 その後、今週買った「松本竣介 線と言葉」(コロナブックス)から巻頭にある堀江敏幸「なにが聞こえてくるのかは、誰にもわからない」を読む。堀江さんと松本竣介のつながりがピンとこなかったのだけれど、文章を読みはじめてすぐに得心した。そうだ「郊外にて」の白水uブックス版のカバー絵は松本竣介「白い建物」だったのだ。この版で読んだのに忘れてしまっていた。



松本 竣介 線と言葉 (コロナ・ブックス)

松本 竣介 線と言葉 (コロナ・ブックス)


 「松本竣介 線と言葉」を買った翌日、職場で仕事の資料に目を通していたら、突然「立てる像」の絵がページ一面に載っていて驚く。通常絵が出てくるような資料ではない上に、それがまた松本竣介画である偶然にちょっと狐につままれたような気分になった。