六角橋整地。

 朝から雨。出張野外仕事へ。


 雨シフトの服装ではあるけれど、ずうっと雨に打たれているとじんわりと肌に雨がしみてくる。


 あ〜あ、今日は一日雨かよとうんざりしていたら昼に突然晴れあがり、強い陽射しが照りつける。仕事現場のあちらこちらから雨が水蒸気になって蒸発する湯気が立ち上る。まるで温泉街にいるようだ。


 その後、また雨にふられたり、2度目の温泉街を味わったりしているうちに宵闇が迫り、最後は照明灯の下で仕事を終えた。


 東横線を白楽で下車する。ここにあるテラコーヒーという店の自家焙煎の豆がおいしいと聞き買いにきたのだ。25歳で就職してからの20代後半を過ごしたこの街にこんな店ができていようとは知らなかった。


 店主の方にオススメを聞き、パナマ、ドミニカ、ブレンドの3種類の豆を買う。カエルを店のトレードマークにしていてオリジナルのマグカップにもカエルがあれこれ。気に入ったデザインのものを1個選んでそれもいただく。


 せっかく白楽に来たのだからと六角橋商店街を歩く。大好きな昭和テイスト満開のアーケードの駅側入口に“猫企画”という名前の古本屋を見つける。こぢんまりとした店内は猫とサブカルミニコミも充実していた。『マンガ文献研究』も置いてあった。店長さんとおぼしき方と話す。最近六角橋商店街で行われた一箱古本市南陀楼綾繁さんも来て出店してくれたことやアーケード街の神大側入口が火事に遭い更地になってしまったことなど。


 挨拶代わりに1冊。

うめ版 新明解国語辞典×梅佳代

うめ版 新明解国語辞典×梅佳代


 アーケードを歩いて整地された火事現場へ。神大側の入口がぽっかり無くなっている。あのごちゃごちゃした味わいがのっぺりとした平地になってしまっていた。この場所にどのような建物が建つことになるのだろうか。このアーケード街の昭和テイストな味を残してほしいものだ。


 この街に来たら必ず寄る古本屋・鐵塔書院へ。相変わらずいい本をあれこれと置いている。中公文庫、ちくま文庫岩波文庫などの渋めの文庫も充実しているし、哲学、美術、映画、落語、料理などさまざまなジャンルの本がしっかりと揃えられている。各駅毎にこのような古本屋が1軒ずつできるようになれば、この国も真に文化国家と言えるようになるのではないかと思ってしまう。

 この2冊を買って帰る。



 帰宅して買ってきたコーヒー豆からパナマを選び、ミルで挽いてKONOのペーパードリップで久しぶりにコーヒーをいれる。買って来たマグカップにたっぷり注いで飲む。うまい。


 雨と汗でどろどろになった身体を風呂で流す。BGMは原田知世「Music & Me」。ボサノバ調の「時をかける少女」は何度聴いてもいい。


music & me

music & me


 明日は午後からみなとみらいで仕事。休みは来週の日曜までおあずけか。