肌色に鶯。

 なにやらいつの間にか寒くなった。

 出勤途中ですれ違う人びとの首にもマフラーが揺れている。

 いつまでコートなしでいけるかなと思いながら職場への坂道を歩く。


 あれこれあって思いのほか早く仕事がひける。外市へ本を送る作業があるためいつもの本屋周遊もそこそこに帰宅する。


 帰宅してすぐに昨日段ボールに詰めておいた本に1冊追加をして、緩衝剤としての新聞紙を隙間に挟み込んでからガムテープで梱包する。


 キャリーにくくり付けてコンビニまでの道をゴロゴロと引いて行く。

 無事に発送を終えて、夕食を買ってから帰る。夕食を食べながらコンビニで買った『週刊文春』に眼を通す。坪内祐三文庫本を狙え!」は、やはりこれだった。

  • 池島信平・嶋中鵬二「文壇よもやま話 上」(中公文庫)

文壇よもやま話〈上〉 (中公文庫)

文壇よもやま話〈上〉 (中公文庫)

 もちろん、すでに入手しているのだが、10月の中公文庫の新刊はなかなかの充実振りだった。この他にも、

堺利彦伝 (中公文庫)

堺利彦伝 (中公文庫)

怪の漢文力―中国古典の想像力 (中公文庫)

怪の漢文力―中国古典の想像力 (中公文庫)

 などがあり、往年の肌色文庫を思い出させてくれる。最初の2冊も買ってしまった。今後もこの調子でお願いしますよ。


 昨日、神保町でもらってきた『図書』11月号掲載の“12月刊行予定の本”を眺めていたら岩波現代文庫の新刊にこれを見つけた。

 この絶版文庫のことはいつも頭にあり、ブックオフの文庫棚をチェックするとき必ず探していた本の1冊なのだが、ついに岩波で復刊か。この本などもいにしえの中公文庫のラインナップに連なっていておかしくない本だと思う。鶯のフンは肌色との相性もいいしね。



 今回の伴健人商店のラインナップは以下の通りです。


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【単行本】
今泉正光「『今泉棚』とリブロの時代」
武田花イカ干しは日向の匂い」
福永武彦「意中の文士たち上・下」
広津和郎「年月のあしおと」
内田百間百鬼園座談」
平岡篤頼「パリふたたび」
「京都読書空間」
日本古書通信社編「94全国古本屋地図
藤沢桓夫「大阪の人」
青木一雄「『とんち教室』の時代」
高津淳「いそがなくったって、そこに本屋があるじゃないか」
横田順彌「古書ワンダーランド1」
渡邊十絲子「新書七十五番勝負」
小川隆夫マイルス・デイヴィスの真実」
奥村敏明「文庫博覧会」
山下武「古書のざわめき」
高澤 秀次 「評伝中上健次
「肥田先生のなにわ学展」
「神保町公式ガイドvol.1」
鹿島茂「『パサージュ論』熟読玩味」
水原冬美「パリの墓地」
内田百間阿房列車の車輪の音」
内田百間「私の『漱石』と『龍之介』」
平野義昌「本屋の眼」
永島慎二「フーテン」


【文庫】
内田百間百鬼園随筆
内田百間「続百鬼園随筆
内田百間「第二阿房列車
内田百間「第三阿房列車
内田百間「贋作吾輩は猫である
内田百間「居候匆々」
内田百間「實説艸平記」
平山三郎「実歴阿房列車先生」
平山三郎編「回想の百鬼園先生」
小林信彦「日本の喜劇人」
矢野誠一戸板康二の歳月」
堀田善衛「スペイン430日」
瀬戸内寂聴孤高の人
平野恵理子「きもの、大好き!」
荒木経惟「軽井沢心中」
藤沢桓夫「大阪自叙伝」
加山又造・前本ゆふ「画文集ゆふ」
岡本柳之助「風雲回顧録
アンリ・トロワイヤ「大帝ピョートル」
中川一政「うちには猛犬がいる」
細川護貞細川幽斎
奥村土牛「牛のあゆみ」
堺利彦堺利彦伝」
児玉数夫「世界名優物語」
児玉数夫「世界名女優物語」
色川武大「あちゃらかぱいッ」
三遊亭圓生「噺のまくら」
三遊亭圓生圓生の録音室」
黒岩涙香「畜妾の実例」
中沢新一「はじまりのレーニン


【新書】
猪瀬直樹「小論文の書き方」
鈴木隆祐「名門高校人脈」
ルイス・セプルベタ「カモメに飛ぶことを教えた猫」
トム・レオポルド「君がそこにいるように」
岸本佐知子「気になる部分」
マニュエル・プイグ「ブエノスアイレス事件」


【雑誌】
『リテレール夏号1992』
『フリースタイル13号』
『Number761 アスリートの本棚』
『Ozmagazine 2010年9月号』