虜ロール。


 昨日は仕事帰りに本屋により、楽しみに待っていたこの本を購入。

パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い

パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い

 帰宅して、まずは読みさしの関口良雄「昔日の客」(夏葉社)を読み継ぎ、読了。この本を読むのは2度目なのだが、〈銀座で現代画廊を経営しているS氏は、私の古い知人で、小説も書いている。〉という一文の存在を忘れていた。関口氏は尾崎一雄にS氏を紹介するために画廊を訪れるのだが、その出会いの場面は書かれていない。このS氏はもちろん僕も大好きなあの人である。



 今日は自宅で仕事。なかなか進まず、鼻が出て、頭も痛みだしたので、風邪薬を飲んで読書に切り替える。


 昨晩買った「パンとペン」を開く。すると深みのある朱色が目に入り、それをめくり、本文に辿り着くと、そこには精興社文字が。黒岩比佐子×朱色×精興社という大好きなもののトリコロールがそこにある。


 BGMにはシューマンを選ぶ。昨日、ポッドキャストジュンク堂トークイベント「奥泉光×大森望×豊崎由美シューマンの指』刊行記念トークショー」を聴いたらシューマンが聴きたくなって衝動買いしたこの1枚。

シューマン:謝肉祭

シューマン:謝肉祭


 「あとがき」読みなのでまず本を後から開き直す。きっと黒岩さんは僕のような「あとがき」読みの存在も視野に入れているのだろう、この数ページの文章を読むだけで堺利彦への興味がかき立てられるように書かれている。本文を読む楽しみが増した。そしてあとがきの最後に書かれた力強い宣言を胸に序章から読み始める。


 しばらくこの本の虜。