The stair to Seven。


 今日は郊外での仕事。

 朝家を出て電車を乗り継いで目的地に向かうが、途中の乗り換え駅から出る単線が20分に一本しかない。そのホームにたどりつくのが1分遅かった。そのため、19分待たねばならない。寒いホームで突っ立っているのも嫌なので、駅構内のコーヒーショップに避難し、携帯本のヘミングウェイ「移動祝祭日」を読んで時間を潰す。


 午後2時過ぎに仕事が終わる。そこから電車を乗り継ぎ、小一時間かけて神保町へ。


 このところ毎週のように神保町へ来ているなあと思う。ちょうどこの時期の仕事がうまくそれを許すようなスケジュールになっているのだ。その偶然に感謝。ただ、そのおかげで購入図書がやたらと増えている気がするのが怖いが。


 当然の如く東京堂の3階へ。ここでこれらを手に入れるのが本日の主な目的である。

  • 『Sanpo magazine』第2号
  • 『ぶらり しょうち 第二号』(聖智文庫目録)


 いつものようにあちこちぶらぶらした後、昨日同僚に聞いたラーメン屋に行ってみる。古本カフェ・ダイバーのすぐ近くにある店主が覆面をしている店。聞いてきたように店内には「猪木ボンバイエ」が響き渡っていた。醤油ラーメンを食べる。これも事前に仕入れた情報通り、スープはかなり醤油醤油していてしょっぱめ。醤油風味は好きなのでそれほど気にならない。細めんと脂身を多めに含んだチャーシューともやしと揚げニンニクのコンビネーション。濃い目の醤油味が好きな人なら一度来てみてもいいかも。


 もう1冊買おうと思っていた本を思い出し、三省堂4階へ向かう。小出版社の本なので日本特価書籍にはないのだ。

 そうそうこれがやっと出たのだ。刊行予告が出たのはずいぶん前。その理由は編集を担当した小森収氏の「編者まえがき」で語られている。とにかく出てよかった。

都筑道夫 ポケミス全解説

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 それから、これを見つけたので買っておく。

  • 『Hard Stuff』第12号


 伊福部昭水谷準長井勝一中島河太郎種村季弘追悼や長谷川邦夫インタビュー、それに南陀楼綾繁さんの「悲しきコレクター」など中身が詰まった感じにそそられる。


 書肆アクセスなきあと、東京堂3階と三省堂4階が心の餓え(ここは「かつえ」と読んでいただきたい)を癒してくれているなあと実感する。




 「移動祝祭日」を読みながら帰る。ジョイスシェイクスピア書店のシルビア、パウンドなどなどヘミングウェイのいたパリは魅力的な人物が目白押し。フィッツジェラルドの登場が楽しみだ。


 帰宅して古書目録「ぶらり しょうち」を眺める。今回は「書物」主体の目録と「紙もの」主体の別冊の2分冊。林哲夫さんの本を題材とした絵が表裏表紙を飾る。これがいいんだな。中を開いても素晴らしい。カラーの図版が豊富に入っていて見て飽きない。特に別冊の車・鉄道・船の紙もの尽くしはこれを見て心ふるえない者は男子にあらずなんて乱暴な言い方をしたくなるような魅力にあふれている。


 迷いに迷って本を1冊と紙もの2点をメールで注文。さて当たりますやらませんやら。


 『Sanpo magazine』を読む。“2大特集「古本」×「ジャズ」”とくれば読まないわけにはいきません。特に山本善行さんがらみの「古本ソムリエ氏と行く京都古本修業散歩」と「古本ソムリエのジャズ・アット・ランダム」はじっくりと。

 前者は山本さんお気に入りの松田青子さんと一緒に古本散歩。萩書房やガケ書房など何度も行った店のほかに文庫堂、欧文堂、紫陽書院、福田屋書店などこれまでほとんど足を踏み入れていない店も出てくる。次回京都に行った時にはぜひ回ってみようと思う。


 後者は山本さんがジャズに魅せられるきっかけとなったアルバート・アイラー「ラスト・レコーディング」を紹介している。アイラーはほとんど聴いたことがない。フリージャズというジャンルをこれまで避けて聴いてきたということもある。聴かず嫌いではいけないかな。


 ジャズと古本なんて特集を読んでいれば当然ジャズが聴きたくなる。今夜はコルトレーン尽くし。全部のアルバムにコルトレーンが参加している。

スターダスト

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チェンバース・ミュージック

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