オジさんを買って家に帰ろう。


 職場でイベントがあり、壇上に立って千人相手に説明をし、個別の来訪者の質問や相談を受けたりなどをするうちに半ドンの日も暮れようとしていた。


 駅までの帰り道、同僚から昨晩僕の帰った後に職場で起きた出来事を聞く。それによれば、今日のイベントを含めたこの夏以降の諸々の苦労がほとんど無駄骨だったことが判明したらしい。


 このところ手を焼いていた外注仕事の尻拭いも徒労に近いものであったことになる。そのうえ、内輪話として僕がした発言を誰かが外注先の社長に伝えたらしく「人に対する同情もないひどい人間だ」と僕への苦情を先日上司にわざわざ言いに来ていたということも聞いた。


 なんだかアレコレがバカらしくなってまた本屋でヤケ買いに走ってしまう。

星のあひびき

星のあひびき

とかくこの世はダメとムダ

とかくこの世はダメとムダ

酒にまじわれば (文春文庫)

酒にまじわれば (文春文庫)



 丸谷本は評論的文章、書評、随筆的文章、推薦文及び追悼文、解説文をそれぞれ章に分けて収めた丸谷版バラエティブック。


 山本本は、帯に〈単行本未収録〉、〈正真正銘の新刊〉という言葉が見えたので思わず手に取った。昭和38年から平成14年に渡る単行本未収録の文章を集めた本。久しぶりの夏彦節を楽しもう。


 文春文庫の新刊からはなぎら健壱本を選ぶ。著者が撮った酒場写真がいい味を出している。文庫のために書き下ろした6編が増補されているのもお得感あり。



 気がつけば3冊ともオジさんが書いた本ばかりだ。今夜はオジさんを買って家に帰ろう。



 帰宅して買ってきた本のページをめくりながら今夜もレッド・ガーランドを聴く。

ハイ・プレッシャー

ハイ・プレッシャー