村上春樹のような同時代作詞家を持つこと。


 職場は休みなのだが、やっておかなければならない仕事があるため出勤する。


 途中で朝食と昼食をコンビニで買って職場へ到着。暖房が入っておらず部屋の一部にしか灯りがついていないので寒々しい。

 
 給湯室でガスの元栓を開け、お湯を沸かしてインスタントコーヒーを入れてから仕事開始。


 コーヒーのおかわりとレンジで温めたチャーハンなどを挟みながら午後遅くまであれこれ資料や電子辞書を使いながらノートにカリカリと書き込んでいく。


 職場を出ると雨が降り始めていた。


 本屋へ。

  • 『monkey business』vol.3.5

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3.5 ナイン・ストーリーズ号


 前号の1冊すべてサリンジャーナイン・ストーリーズ」を受けてのナイン・ストーリーズ号。


 帰宅後、さっそく気になる文章を読む。

 まずは村上春樹カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと」。海外で出版されるカズオ・イシグロをめぐる評論集の序文として書かれているので、とりあえずはべたほめですね。でも、読んでみようという気にさせる持ち上げ方はやっぱりうまい。

 続いてそのカズオ・イシグロがジャズシンガーのステイシー・ケントのアルバム「イン・ラブ・アゲイン」に書いたライナーノーツを読む。翻訳は柴田元幸氏。これを読んだらこの夏カナダで買ってきたステイシーの新譜を聴きたくなった。

市街電車で朝食を

市街電車で朝食を


 このアルバムに入っている4曲のオリジナルは作詞をカズオ・イシグロ氏が担当している。その惚れ込みようが分かろうというもの。あり得ないことだが、村上春樹氏がアン・サリー嬢のファンになって彼女のオリジナルの作詞を担当したりしたら面白いんだけどなと夢想したりしてしまう。


 彼女の歌声をBGMにして『彷書月刊』から坪内祐三「本の恩師たち」を読む。11月2日に神保町ブックフェスティバルの一環として東京堂で行われた講演が早くも活字になって登場。聴きに行けなかったのでありがたい。当然恩師として名前が挙がる山口昌男氏の他に徳永康元氏の名前も出てくる。坪内さんが称揚する「プタペストの古本屋」他3冊の著作は手元にある。いつか読みたいと思っているもののひとつだ。


 その後、職場から持ち帰った仕事の本をひたすら読む。これまでの考え方をひっくり返す自説を展開し、その流れで先行書をなで斬りにしていく様は小気味いいくらいだ。楽しく読了。しかし、著者も書いている如く業界からの反応はほとんどないようだ。この本より後に出版された知り合いの著書を引っ張り出してみたが、まったく触れられていなかった。
 同じに扱ってはいけないと分かってはいるが「日本語が亡びるとき」の反響の大きさと比べると他人事ながら寂しさを感じてしまう。


 そろそろ日曜に控えた「みちくさ市」の準備をしなければと思う。