本の恩は本に返す。


 遅番の日。8時まで寝ている。「ちりとてちん」を観ながら朝食。毎週火曜だけはこの朝の連ドラを観ている。いつもは7時には家を出るのでオンタイムで観ることができないのだ。今日はヒロインが高座で“ちりとてちん”を演じているシーンがあり、そのサゲの部分を聴いてこの話が「酢豆腐」であったことを思い出す。


 いつもの通り歯医者へ。待合室で「大政翼賛会前後」を読む。左翼的な青年だった杉森久英氏が大政翼賛会で見た右翼的な大陸浪人たちにシンパシーを抱くようになっていく姿が描かれる。杉森氏が移動した文化部の上司である高橋健二部長はあの有名なドイツ文学者。「文学部をめぐる病い」が俎上にあげた人物だ。


 そこまで読んだところで名前を呼ばれて診療室へ。僕と入れ違いに出てきたのは職場の上司であったのでびっくり。
 診療台の上でしばし待たされるうちに先週に引き続きまたもやウツラウツラしてしまう。ぼんやりしているうちに治療終了。1,700円を払って外へ出る。なんだかお金を払って昼寝をしにきているような感じ。


 職場に着くと仕事がいろいろと飛びこんでくる。なんとかこなして夜退勤すると雨が降り始めた。バスで駅前まで。傘がないので駅ビルに飛び込む。
 駅ビル内の伊藤園で職場で飲むお茶(桜入り緑茶・ジンジャー烏龍茶・ミントカモミール茶)を買ってから本屋へ。

 外市の売り上げ金で雑誌を2冊買う。商売で本を売っているわけではないので、本を売った金は生活費には回さず書籍に使うのを原則としている。本の恩は本に返したいじゃないですか。

 ついにピンクの『yom yom』を買う。目次を見ると魅力的な名前が並んでいるなあと思う。
 『BRUTUS』は特集“みんなの食堂”。表紙の写真は大阪・堺の銀シャリ屋ゲコ亭だ。以前TVでこの店の紹介をやっていて、ひたすら大釜でご飯を炊き、その炊き上がり具合にこだわる店主のおじさんの姿と炊き上がったご飯に目が釘づけになった記憶あり。一緒に働いている家族の慰安と自分の休養を兼ねてうまい米のない夏場に2ヶ月の海外旅行に出るというその生き方もいいね。


 帰宅して持ち帰りの仕事をやり続ける。BGMはYouTubeで選んだジャズ演奏。コルトレーン在籍のマイルス・グループやマウント富士ジャズフェスティバルでのジャッキー・マクリーンによる「クール・ストラッテン」など。


 そうそう、YouTubeでこれを見つけた。古今志ん生の高座姿や安藤鶴夫氏のインタビューに答える姿が映っている。目が喜ぶ。