判で押したような…。


 今日は休み。9時近くまで寝ている。


 カナダでのアクシデントでキャッシュカードがなくなってしまったため、通帳でないと現金が下ろせないのだが、もう何年も通帳と印鑑を使ったことがなかったため、印鑑をどこにやったか分からなくなる。部屋のどこかにあるのは確実なのだが、それがどこか分からないのだ。この2週間ほどあちこち探していたが、未だに見つからないため諦めて別の印鑑の登録をしにメインバンクのみずほ銀行へ行く。


 いきなり4、5枚の用紙を出されてすべてに住所、名前、口座番号などを書かせられる。新しいキャッシュカードをクレジットカード機能の付きのものにしたら、クレジットカードの申込書が1枚追加された。印鑑の変更用紙に印を押したら朱肉が着き過ぎたらしく滲んでしまう。そこで係員に確認して隣りに押し直して提出すると、窓口で新しい用紙に押し直してくれと言われる。また最初から住所、氏名、口座番号などを書かされるはめに。
 新しいキャッシュカードが届くのは2週間後と言われ、通帳と印鑑で現金を下ろしたいと言ったら、印鑑の変更がこれから全店に回るので、下ろせるのは1週間後と言われ愕然とする。身分を証明するものを持ち(パスポート持参)、通帳もあり、今しがた登録をした印鑑を持っているにも関わらず、自分の金を下ろす事ができないというのはどういうこと。このネット時代になんでそんなに時間がかかるんだろう。これじゃ、引き落としにしていない家賃を払うこともできないじゃないか。
 確かに、自分の不注意で盗難に遭い、自分の管理の悪さで印鑑を紛失したのが悪いのだが、この仕打ちにはどこか納得できないものを感じる。現在ほとんどの職場が給与を口座振り込みにしているはずで、僕の場合ももちろんそうだ。今月の給料もすでに口座に振り込まれてしまっている。その口座の預金に手をつけられないとすると、自分の金があるのに誰かに借金をしなければ生活できないことになる。融通のきかない銀行とそんな状態に落ち込んだ自分に腹立たしさを感じて不愉快な気分で銀行をあとにする。


 電車に乗って銀座に出る。シネスイッチ銀座で上映している山下敦弘監督「天然コケッコー」を観に来たのだ。平日の13:30からの回はすいており、広くはないシネスイッチもガランとしていた。
 色々な方のよい評判を耳にしていたが、なるほどいい映画だな。右田そよ役の夏帆の目と口の表情のよさに加え、小中合わせて7人しかいない学校の生徒同士の関わりや先生たちの存在などもとてもよく描けている。小学生のカッちゃんとサッちゃんの存在がとてもいいアクセントになっていて、彼女たちの存在をヒロイン・そよの意味付けを強化する役割として監督がうまく使っていた。
 そよと東京からの転校生・広海というカップルの微妙なすれ違いや思いのズレを観ながら人はこれを恋と呼ぶのだよなと思ったり、「リンダリンダリンダ」がぺ・ドゥナの映画である以上に「天然コケッコー」は夏帆の映画だなあと思ったりしながら満足して劇場を出る。


 帰りの車中は、村上護「文壇資料 阿佐ヶ谷界隈」を読みながら。


 地元の本屋へ。

  • 『天然生活』10月号

 “読書の時間”という特集をしているので以前から気になっていたのだが、昨日なえさんからアン・サリー嬢のインタビューが載っているということを教えていただき、購入に至る。

天然生活 2007年 10月号 [雑誌]

天然生活 2007年 10月号 [雑誌]


 帰宅後、バンクーバーの日本総領事館へのエアメールを書いたり、外市用の本の値札を準備したりして過ごす。