『本の話』、本当の話?

 今日も昨日と同じ仕事をする。何組もの人に同じような話を繰り返ししていると、段々言葉が遊離していき、自分とは無関係に言葉だけが自転しているような変な気分になる。


 こういう時は、何かを伝えようとしゃべればしゃべるほど何とも言えない虚しさがこみ上げてくる。自分と言葉との繋がりが感じられなくなると言ったらいいのかな。


 仕事を終えて自分の机に戻ってくると同僚から銚子電鉄の“ぬれせんべい”をお土産に貰う。美味しくいただきながら、この“ぬれせんべい”ってどういう風に作るのだろうかと疑問に思う。まさか、焼いたせんべいを「自然乾燥」ならぬ「自然に湿気らせるまで置いておく」わけではあるまい。


 退勤後、本屋へ。
 仕事の本を1冊買ってからレジ横で『本の話』8月号を貰う。


 バス待ちで『本の話』から小林信彦黒澤明という時代」の連載第2回を読む。今回は「一番美しく」と「續 姿三四郎」を取り上げる。ともにビデオとDVDで観ているはずなのだが、小林氏が三四郎と檜垣兄弟を殺せない矛盾をうまく解決しているという「續 姿三四郎」の山小屋でのラストシーンがどうしても思い出せない。


 帰宅してから、『本の話』所収の「ユーモアを翻訳する」という対談を読む。ヴォネガットの翻訳者として知られる浅倉久志さんとウッドハウスの翻訳をしている小山太一さんによる翻訳談義。お二人が揃って石井桃子訳「くまのプーさん」の巧みさを賞賛している。
 読みながら、そうだ『ユリイカ』の石井桃子特集号を入手しなくてはと思い。先日買った宮田昇「新編 戦後翻訳風雲録」(みすず大人の本棚)を読まなくてはと思う。


 『本の話』の8月の新刊コーナーに目を通す。佐藤嘉尚編「『面白半分』BEST随舌選」が面白そう。
 次に永瀬隼介「退職刑事」という書名に目がとまる。連作短篇ミステリー集に「退職刑事」という題を付けるのはどうかと思う。都筑さんが知ったらどう思うのだろうか。


 ブログ散歩をしていて「東京Brary日乗」の記述に目が釘付けになる。

業界紙によれば、書肆アクセス11月閉店の由。》

 まさか、そんなことが。ショックである。本当の話なのかと疑いたくなる。他のブログでも同様の記述を確認。
 アクセスのなくなった後のすずらん通りを想像するのは寂しい。


 プロ野球オールスター第1戦の後半を観る。各球団のストッパーを1回ずつ投げさせるという落合監督のアイデアの勝利か。