ナンシーを根拠に。


 あたらしい1週間のはじまり。天気はよし。


 同僚の女性が消しゴム版画をやると聞き、「ナンシー関って知ってる?」と尋ねると「知ってます」という返事。
 うれしくなって数分間「ナンシー関が天才である理由」について熱く語ってしまう。
 

 その後、夜9時に退勤。


 本屋へ。

 先程ナンシー関バナシに熱中した余波で、今年の3月に出ていたこの本を購入。親本が没後に出た単行本のなので、映画コラムともうひとつの雑誌連載コラムを抱き合わせた1冊。それでも彼女の文章が読めるだけでもうれしい。
 もう、彼女の本道とも言えるTV批評を新たに読むことはできない。しかし、われわれは“細木数子”や“黒川紀章”に代表されるようなきわめてTV的な存在を批評しながら楽しむことができる。それは、ナンシー関だったらこう言うだろうな、彼女だったらこの人物や番組にこう反応するだろうなとナンシーを根拠に考えることをその文章や消しゴム版画から学んだからだ。

何を根拠に (角川文庫)

何を根拠に (角川文庫)


 駅ビルのうどん屋でうどんつけ麺定食を食べてからバスに乗る。バスの中では志ん朝「今戸の狐」を聴く。


 帰宅して、昨日コンビニで見つけて買った『colo』という雑誌の創刊号を手に取る。安西水丸画伯の絵を表紙に置き、“大友康平”、“角田光代”、“桜金造”という活字が踊っている。角田さんの連載「柿沼三代子物語」が創刊号なのに第十九回となっている。ページを開くと《この作品は「生本」05年12月号からの連載継続作品です。》と書いてあった。これって『生本』のリニューアル雑誌だったのか。
 目次を開くと“広瀬洋一”の名前が。広瀬氏はTHE YELLOW MONKEYのベーシストとして活躍し、現在はさまざまなアーティストのレコーディングに参加しているとのこと。この広瀬氏は高校の同級生。面識はまったくないけどね。
 ざっと目を通した印象では、次号はたぶん買わないと思うな。


 「何を根拠に」を少し読んでから、カバー折り返しの作者紹介に目をやると《2002年6月12日逝去》とあった。天才が死んでもうすぐ5度目の命日を迎えることを知る。


 今日のBGMはこれ。