仕事が思うように運ばない日々が続く。まあ、この時期はいつものことなのだが、そうと分かっていてもいろいろと感じることが多い。人間ができていないのだ。
昨日に引き続き、夕方から急に空が暗くなり、雨が降り出しそうな雲行きとなる。あわてて退勤。
バスで駅前についた時にはすでに降り出していた。駅ビルの本屋で。
以前に「文庫本を狙え!」でとりあげられていて興味を持った一冊。忘れないうちに手に入れておくことにする。
駅ビルの窓から見ると遠くの空は茜色に晴れている。しばらく時間をつぶせば雨がやみそうな様子なので大戸屋で早目の夕食をとることにする。定番の鶏と野菜の黒酢あん定食を注文。「男気万字固め」から山城新伍インタビューを熟読する。東映「不良番長」シリーズのやりたい放題ぶりに始まり、「独占男の時間」VS宮本顕治事件、笠原和夫脚本の「日本共産党」がポシャったわけなど興味深い話が次々と繰り出される。個人的にヒットだったのは梅宮辰夫の杉村春子事件。映画界で生活してきて杉村春子をまったく知らないなんてすごいな。
食事をすませても雨はやまず。多少小振りになったところを見計らって駅ビルを飛び出し、ロングサイズの安い傘を売っている本屋へ走り込む。これでこの店で買った傘は都合3本目。その傘をさして近くのTSUTAYAへ。
先日借りた映画2本を返し、新たに2本借りる。豊田四郎監督「駅前旅館」と稲垣浩監督「待ち伏せ」を選ぶ。
帰りのバスでは昨日ダウンロードした立川談春朗読「姑獲鳥の夏5」を聴く。値段がいつもより200円ほど安いと思ったら時間は半分になっていた。どうやら、佳境に入ってきて細切れにして高く買わせるつもりらしい。あこぎな商売をするなあ。そんなこととは関係なく、談春師匠の朗読は快調で楽しめる。
帰宅して「駅前旅館」を観る。森繁久彌、フランキー堺、伴淳三郎、淡路恵子、淡島千景、草笛光子と並ぶとなかなか壮観である。独特の発色のカラー画面がまずいい。上野駅前の旅館が修学旅行の団体客でにぎわい、呼び込みの腕自慢である番頭(森繁)の出番が無くなり、追い出されてしまうという展開。修学旅行の中高生の暴れっぷりは今も昔も変わらないのだなあと思う。若いフランキー堺はどこか劇団ひとりに似ているように見えた。フランキーの部屋に押し掛ける女子高生のひとりが若き日の市原悦子なのでビックリ。観終わった感想は、誤解を招くかもしれないが“大人の映画”だなというもの。森繁久彌と淡島千景の逢い引きシーンなんてずいぶんと濃い描写をしている。さすが豊田監督。この映画には“喜劇”という冠はついているが、子どもが観てもちょっと笑えない映画だ。しかし、中年以上は、にやつきながら観ることになる映画だ。
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今晩の読書は、先日貰っていたお世話になった先輩が書いた自費出版旅行記。1980年代のまだ人民服の中国への旅を記録したもの。前半の冬の旅の印象が深い。寒さでカメラが何度となくフィルムを巻き上げなくなる。列車の中や町中で人々に向けた著者の視線が客観的でありながらもあたたかいものを含んでいるところにひかれる。