鮭の遡上。


 本日より、日記を再開いたします。
 昨日お会いした数名の方から、「いつ戻ってくるんですか」と質問があり、別に深いワケあって休んでいるわけではないため、「では、そろそろ」と鮭が生まれた川に戻ってくるようにまたここに帰って来ました。


 休止期間中の日記は、mixiの方に備忘録としての日録をつけていたので、それをこちらの方にもアップして置きました。


 別にこれまでと何も変わらないのですが、見た目だけでもリフレッシュしようとブログのデザインを変えてみました。



 本日は休日出勤して午前中仕事をする。午後退勤。
 
 本屋を覗いてから帰宅。帰宅後、四方田犬彦「先生とわたし」(『新潮』3月号)の続きを読み終える。四方田さんからみた由良君美という師の存在を描いたもの。最後の方は、師弟論という様相を呈している。慎重な書き方をしているが、師である由良さんが弟子である四方田さんに嫉妬して殴ったという解釈には、両者を知る他の人たちから異論反論のようなものが出てくることだろう。ただ、これを機会にもういちど由良君美氏の書いたものが注目されることをのぞみたい。大学時代、坂口安吾桜の森の満開の下」論で初めて由良君美という名前を知り、他の国文学者たちの書く文章とはひと味違うスノッブな感じに憧れたことを思い出す。本棚から「風狂 虎の巻」(青土社)を出して来て眺める。こちらには『カイエ』に掲載された坂口安吾「夜長姫と耳男」論が入っている。



 今夜も山田稔特別な一日」から「ある難船の記録」1編だけを読む。山田さんがアルフォンス・アレー「悪戯の愉しみ」の訳書を出帆社という出版社から出した経緯を中心に書いたもの。突然、山田さんを訪ねる人物として“浅田彰”という名前が出てくるのに驚く。そうか2人とも京大なんだな。「悪戯の愉しみ」はみすずの大人の本棚シリーズ版を持っているはず。読まなきゃ。


 帰り道のコンビニで買った『週刊ポスト』を眺める。「yomunelの日記」で「どうで死ぬ身の一踊り」を書いた西村賢太さんの写真が載っているというのを知って買ってみたのだが、どうやらそれは先週の号だったらしい。「植木等伝」(戸井十月・文)が連載されているのを知った。


 ネットで四方田犬彦さんが選んだ観ておくべき113本の映画リストを発見し、その中にあったバスター・キートン監督・主演の「キートンの大列車追跡」(1926)を観る。以前に500円DVDで買ってあったもの。汽車を使ったスラップスティックコメディの教科書のような映画。たくさんのアイデアを盛り込んで、手間暇かけて作っているのがよくわかる。車輪を動かす鉄の横棒に腰掛けたキートンが車輪の回転にあわせて上下に動きながら画面右隅に消えて行く有名なシーンの動きの美しさにうっとりする。


 2、3日前から声が出にくくなっている。特に今日は酷かった。声を出す仕事がなかったのでよかったのだが、明日からは大声を出す仕事になる。困ったものだな。