安吾の「アンゴウ」。

今日は出張。生憎の雨なのだが、先日本屋で買った傘が使えるので少しうれしい。


終日野外で過ごす。予想したよりも気温が下がり、用意していった防寒具では寒さが完全には防げない。風にはためくうどん屋の幟に誘われてきつねうどんを食べる。熱い汁が心と体に染みていく。


夕方仕事を終えて本屋へ。
平凡社新書の新刊が並んでいるし、ちくま文庫もいい品揃えを誇るかのように平積みだ。しかし、今自分には買う権利がないのだ。すごすごと家に帰る。


テレビでサッカー日本代表スコットランド代表戦を観る。0対0のドロー。語ることなし。


今日持っていって結局読む暇がなかった水口義朗「記憶するシュレッダー 私の愛した昭和の文士たち」(小学館)を読む。作家の異性関係(三島由紀夫は同性関係)を中心としたストレートなゴシップ集。その中で景山民夫さんが“幸福の科学”に入信する原因となったのではないかと水口氏が推測する娘さんの話が印象に残った。80ページほど読んだ。


ブログ散歩。このところ退屈男さんが坂口安吾にハマっているようだ。三千代夫人の「クラクラ日記」で安吾の人生に興味がわいてきたところなら、「風と光と二十の私と」(講談社文芸文庫)に収められている自伝的小説群を読んでみると面白いかも。表題作は大好きなものの一つだ。それから、角川文庫版を集められているのなら「ジロリの女」収録の「アンゴウ」をおすすめしたいな。神保町で古本を買うところから始まる短篇で、心温まる結末に気持ちが和む小品ですから。
それにしても「安吾巷談」から入るなんてさすが退屈男さん、シブいなあ。


明日も休日出張で、野外仕事。雨がやんでくれることを祈ろう。


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