それるかそれないかそれが問題。


 接近する台風に仕事がいろいろと影響を受ける。ただ、その余波で早く退勤できたのは少々ありがたい。


 本屋へ。


 高校時代に角川文庫で読み始め、大学入学時に冬樹社版全集を一誠堂で買って卒論対象作家とし、就職してからも新資料を収録したちくま文庫版全集を買いそろえてきた僕にとって目新しい作品が入っているわけではないこの文庫を買う必要は特にないのだが、ついに安吾岩波文庫に入ったとなれば見逃せない。戦前の「FARCEに就いて」「文学のふるさと」「日本文化私観」、戦後の「堕落論」「教祖の文学」「不良少年とキリスト」など主要なエッセイはほぼ網羅している。とりあえず、安吾のエッセイを読みたければこの1冊で代表作はすべて読めると言っていい。
 ひさしぶりにあれやこれを再読しようかと思う。


 帰りのバスで桂枝雀「かぜうどん」を聴く。いつの間にかウトウトしてしまい終点まで寝過ごす。


 いつも営業時間の8時に間に合わずなかなか出してある衣類を受け取れないクリーニング屋に今日は間に合う。


 帰宅して、狩野俊「高円寺古本酒場ものがたり」(晶文社)を読む。台風が微妙にそれて東京を直撃しなかったことが書いてある2007年7月の日記まで読んだ。外はそれるかそれないかわからないがそれなりに近づいてくる台風の前触れの雨が激しさを増してきている。