ホワイトデイは二度寝る。

先週末からの寝不足がたたって、二度寝をしてしまう。
目が覚めたのは始業の10分前。当然、間に合わない。
ここはまったく使っていない年次有給休暇を使うことにする。
とはいえ、出勤はして仕事もするわけだが。
年休なのに退勤時間までいるのは業腹なので、退勤時間の10分前に職場を出る。


友人と待ち合わせていつもの料理屋へ。
今日は、僕の誕生日祝い(4日遅れ)ということで食事をご馳走になる。
「菜の花のからしあえ」、「焼き筍」、「プラチナポークのソテー」などをいただく。美味。


友人と別れ、本屋へ。
今日の夕食代が浮いた分でこの雑誌を買う。

  • 『銀花』第145号

林哲夫の書処遊覧」で林さんが京都の古本屋歩きを6ページにわたって書かれている。恵文社一乗寺店に始まり、アスタルテ書房に到る古本屋散歩は新京極通りの「スタンド」でビールの祝杯をあげて終わっている。文章に添えられた写真と絵と地図を眺めながら、かつて歩いたその場所の記憶を辿りつつ、まだ足を踏み入れていない未踏破の店の佇まいを思い描きながら、心はまた京都への飛んでしまう。

そういえば数日経ったというのに誰からもバースデイプレゼントをもらっていないことを思い出し、自分で贈ることに決める。ではこの機会にと気になっていたこの本を思い切って買うことにする。

単行本未収録のエッセイ集で限定350部であることが、編者のあとがきや奥付から分かる。布張りの箱入りで、その箱の上に紙のカバーが掛かったその落ち着いた造本に以前から惹かれていて、時折手にとって眺めたりしていたのだが、5000円という金額からその都度棚に戻していたのだ。それがある日、忽然と棚から消えたたため、どこかの好事家に買われたものと思っていたのだが、数日前にまたその姿を棚に現したのだ。しかも、それがどうも前と同じ本らしい。カバーの紙の端のヘタリ具合などが僕の記憶にあるその姿と瓜二つなのである。これはもう買うしかないと思ってしまい、本日の仕儀に相成った。

帰宅後、「週刊誌風雲録」の続き。『週刊明星』や『週刊文春』の創刊当時の様子を知る。その中で、太平洋単独ヨット横断の堀江謙一さんの「太平洋ひとりぼっち」が『週刊文春』の遊軍ライター・村島健一氏によるゴーストライター本であることを知る。中学時代、角川文庫でこの本を読み、いつの日にか自分も己のマーメイド号に乗り、大海原へ船出することを二段ベッドに横になりながら夢見た日々を思い出す。ベッドに作りつけられた本棚には、小遣いから買った雑誌『舵』が数冊並んでいた。この雑誌に載っているヤマハのヨットの写真を何度眺めたことだろう。あれが、ゴーストライターの手になるものだとは。ちょっと残念に思うとともに、あれだけ一中学生を夢中にさせた村島氏の手腕に感服した。

今日のピアノトリオ。

Contrasts

Contrasts

Meditations

Meditations

本日は寺島本未掲載の2枚。
前者を聴いていると、“カクテルピアノ”という単語を思い出す。10曲目のガーナー自身の手になる「ミスティ」が白眉。
後者のエルモ・ホープは隠れた名手といわれるピアニスト。堅実でその淡いイメージのピアノを聴きながら“市井の人”という言葉を思い浮かべる。

【追記】
14日が僕の誕生日のように受け取れる書き方をしてしまったので、誤解の生じないように記述に手を入れました。すみません。コメント欄に書いたように本当は3月10日です。あ、別に覚えていただく必要はありません。