屋内の夏。


 今日、職場の空調が壊れた。もともと空調ありきで作られた建物だから窓を開けても風は通らず、暑い。


 午前中は野外仕事なので空調は関係なし。野外を吹く風は思いのほか涼しく、北風かもしれぬと思う。


 昼に屋内に戻るとそこに夏があった。


 明日の仕事のための準備をあれこれしていたのだが、夕方汗で煮染めたような体に気力は残っておらず、キリのよいところで退勤。


 本屋へ。
 川村湊氏の文芸時評集が水声社から出ているのをチェック。退屈男さん推奨と聞く中公新書の父親ものも手に取ってみる。なるほど、これは興味深い名前の連打につぐ連打で面白そう。そのうちにと頭の中にメモする。


 サブカル系古本屋の100円棚に補充があった。単行本ではこれを見つける。

  • 柴田元幸(訳)「イギリス新鋭作家短篇選」(新潮社)

 文庫の棚にはパトリシア・ハイスミスが4冊あったので思わず全部抱え込む。

 前2冊が短篇集で、後2冊が長篇。全部持っている文庫なのだがハイスミスならダブリ本があったって構わない。機会があれば「何か面白い小説はない?」と聞く知人にあげればいいし。このハイスミスを面白いと思う人とは小説の趣味が合うような気がするのだ。


 『週刊文春』を買ってからバスで帰る。車内では志ん朝酢豆腐」を噺の冒頭夏の陽射しを真っ向から受けても大いびきで寝ている源ちゃんが起こされるシーンを聴くと夏らしさが体の中にざわざわとする。


 帰宅後、暑さのダメージもあって「爆笑レッドカーペット」などを見ながらぼんやりとしてしまう。


 後は本も読まず、こんなジャズのアルバムでも聴きながら寝るとしますか。リーダーのハル・マクシックは知らない人。アルト・テナー・クラリネットという3つの楽器を吹き分けるらしい。この人よりも、ピアノのエディ・コスタとベースのポール・チェンバースの名前で買ったアルバムだ。

トリプル・エクスポージャー+3

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