V.V.でヨシイエを。

少し寝坊気味で始まった1日。職場へ向かって歩いていると俄雨が降ってくる。流石に12月の雨は冷たい。
昨日からの持ち越しの仕事は、なんとか締め切りに間に合わせることができた。本来やるべき仕事は棚上げのままなのだが、今日はそれで自分を許してしまう。そういえば「空飛ぶモンティ・パイソン」に何でも棚上げしてしまう“棚上げ協会”なるものが出てきたなと思う。今日はその一員でいいや。
帰りに本屋へ。

本好きなら知っているあのヴィレッジ・ヴァンガードの創業者である菊池敬一氏の“本屋一代記”。この菊池氏へのインタビューを元にした永江朗「菊池君の本屋」を以前に古本屋で入手しているのだが未読のまま。時たま神保町や下北沢の店を覗くことがあるが、やはり魅力に溢れた本屋であることは疑いない。ただ、ちょっと疲れるけど。個人的にはここの漫画棚くらい魅力的に漫画を見せている棚を他に知らない。以前に下北沢店で他の店で見かけたことのない業田良家の漫画を数冊手に入れた思い出がある。
業田良家といえば「自虐の詩」であるが、僕もこれにイカレたクチだ。竹書房文庫版を2セット持っている。生きるのがつらくなるとこれを読み返すことがある。少しは気持ちが安らぐのだ。
今日寄ったもう一軒の本屋でこんな新刊を見つける。

全3巻が揃って並んでいたのでさっそくレジへ。
世直し源さん―ヨシイエ童話 (1) (竹書房文庫)
帰宅して、読み始める。ステテコ姿の本田源太郎こと源さんが総理大臣となって「国会議員性根たたき直し法案」を提出し、世直しを行っていく顛末を描いた政治ギャグ漫画。政治家が金や利権と手を切り、国民の幸福な生活のために本来の仕事に目覚めていく姿を描くというとなんとも現実離れしたおとぎ話のように聴こえるが、もちろん作者もそれを自覚して“童話”と名乗っているのであろう。一挙に3冊を読了する。メルヒェンの世界を楽しむ。いつもハイライトのシケモクを吸って、変幻自在の煙を吐き出す源さんの姿は、小谷野敦氏の目にとまっているのだろうかなどと思う。
今日聴いたアルバム。

タル

タル

このギターリストに関してはほとんどなにも知らない。持っているアルバムもこの1枚だけだ。テクニックをひけらかすわけではないが、ノリのいい演奏を繰り広げている。ピアノとベースによるトリオの演奏は、うるさくなく、それでいて心地よく耳に残る。僕にとって“中庸”という言葉のイメージとはこんな感じと言えるような演奏。