荻窪、西荻。

本日午前中休日出勤。天気予報では最高気温25℃のはずだが、野外での実感は30℃を超えている感じ。汗が噴き出す。
午後に職場を出て、渋谷、吉祥寺を経由して荻窪へ。もう時間も3時近く。ブログ「ねこそぎ記念」で紹介されていたオムライスの「ブルーベル」に行こうとするが、以前に見た地図の記憶だけがたよりなので辿り着けず。結局駅前の大戸屋でいつもの“鶏と野菜の黒酢あん定食”を食べる。部活帰りの高校生の男女で店内は埋められており、特に女子高生が大声で盛り上がっている。うるさいのだけれど、内容がユニセフへの寄付についてだったりするのだから、人間というのは複雑な生き物であるなあ。
食後にささま書店へ。店頭と店内を回るがなにも買わず。なにも買わずに荻窪を去るのも残念なので、駅前のブックオフへ。105円棚から2冊。

その後、西荻窪へ移動。いつものように興居島屋からハートランドへ。ハートランドで初めてコーヒーを飲む。オーナーの斉木さんをなんだかコワイ人のように勝手に感じていたのだが、とても物腰の柔らかい丁寧な方であった。思い込みはいけませんね。うさぎ書林の棚から1冊。

この別冊新評シリーズは、昔「小林信彦の世界」を新刊で買っている。近年、即売会で「野坂昭如の世界」と「花田清輝の世界」を購入している。このシリーズ、店によっては結構な値段がついているのを見ると、人気があるシリーズなのだろう。
音羽館の店頭100円棚から3冊。

3冊ともに造本もよく、内容も興味深い。
西荻に来た時は必ず寄る信愛書房へ。いつ来てもその品揃えの良さに感心する。前回この店で買った永島慎二漫画家残酷物語」(フュージョンプロダクト)の1巻と2巻が補充されている。しかし、どこにいっても3巻を見ない。結局刊行されていないのかな。
『Arne』13号が出ていたので購入。中川ワニ珈琲の中川勇人さんの特集がある。中川さんは、以前『ku:nel』の音楽コーナーで現代のジャズ・ピアノ・トリオと女性ボーカルのアルバムを色々と紹介していて、なんだか親近感を覚えた。中川ワニ珈琲は中目黒のcowbooksで飲むことができる。以前にcowbooksに行った時に飲んだことがあるが、エスプレッソマシーンによるものなので、一度人の手でいれたのもの飲んでみたい。昨年、経堂のロバロバカフェでワニ珈琲豆のコーヒーを注文したら、売り切れで飲めなかった。ここの焙煎豆は人気があってなかなか手に入らないようだ。
cowbooksの店主である松浦弥太郎さんの本紹介ページを見ると、前田夕暮「朝、青く描く」(白帝書房)を取り上げている。昭和6年刊行(装幀・恩地孝四郎)なので、古本屋でしか手に入らない。松浦さんの文章を読む度に武者小路実篤を思い出す。なぜと言われると困るのだが、僕の中ではこの2人がダブるのだ。
帰りの車中で、桂文楽芸談 あばらかべっそん」読了。その後はipod文楽師匠の「明烏」と「大仏餅」、志ん生師匠の「替り目」、「稽古屋」、「黄金餅」を聴きながら帰る。
黒門町の師匠は、高座で「大仏餅」の“神谷幸右衛門”が出てこず、二度と落語を語ることなく他界する。そんなことはないと分かっているのだが、CDで「大仏餅」を聴いていて、その場面にくると師匠が絶句してしまうのではないかと一瞬不安がよぎる。もちろん、イヤホンからは、「神谷幸右衛門でございます」という淀みない名乗りが聴こえてくる。どこかホッとしながら、続きに耳を傾けるのだ。