倒壊、そして迷宮。

今日は出張のため終日野外で仕事。仕事始めにいきなりスコールのような雨が降り出したり、昼過ぎには急に日が差して暑くなったと思うと、また薄曇りで肌寒い風が吹いたりと変な陽気の一日であった。
仕事も終わろうかというその時、大地を下から突き上げるような振動を感じたと思うと、横揺れが襲ってくる。旗掲揚のポールが釣り竿のように左右にしなう。これまで経験した地震の中でも3本指に入る大きさだ。
まず、頭に浮かんだのは、部屋に積み上げてある本がどうなったかということ。これまで、いつ崩れてもおかしくない状態でありながら、地震で崩れることはほとんどなかったため、どれくらいの被害となるのか想像するのが難しい。
横浜駅に出ると、東横線は動いていたが、徐行運転でダイヤが大幅に乱れている。いったん、職場へ戻り、2つ、3つ細かい仕事をしてから帰る。
帰り道、本屋による。

ダカーポ』は“最高の文庫本−ベストイレブン−”目当てで購入。坪内祐三「酒日記」に、山本・三島賞授賞式で坪内さんと小林信彦氏が待ち合わせしていて、そこを丸谷才一氏が通り過ぎるというシュチュエーションが書かれていて、ゾクゾクする。そこに康芳夫氏が加わり3人で談笑したというのだが、その内容は如何に。坪内さんはこういう読者じらしがくやしいけどウマイ。
散歩の達人』は特集が“ミュージアム粋人になる”。都内を中心にマイナーな記念館、博物館が紹介されている。これまで行ったことがあるのは神奈川近代文学館、恵比寿麦酒記念館、下町風俗資料館くらいか。どちらかといえば、ミュージアムは苦手なので、雑誌でペラペラ見ているくらいがちょうどいい。あの大英博物館でさえ退屈する人間なので。
「庶民の殿堂 商店街で昇天」というイラストルポで、東横線白楽駅近くの六角橋仲見世通りが紹介されている。この街に6年ほど住んでいたことがあるので懐かしい。この仲見世通りは屋根がついており、雨の日にはこの中を歩いて白楽駅まで通った。小さな商店が軒を並べており、ただ見て歩くだけでも楽しい。基本的に自炊をしない生活をしていた(現在も変わらず)ので、食料品や乾物中心のこの仲見世通りで買い物をした記憶はほどんどないのが今思うと残念だ。以前の日記にも書いたが、白楽はけっこう古本屋も充実しているので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください(なんだか、転居のお知らせみたいだな)。
家に戻ると、恐れていたことが現実となっていた。平積みにしていた本が左右から崩れ落ち、けもの道(byモクローくん)がふさがれている。その上にこれも平積みしていたCDがこぼれ落ちている有様。抜き足差し足で、なんとか居間に辿り着いたら、そこにも同様の惨事が起こっていた。加えて居間には平積みのビデオとDVDがあり、これも仲良く倒壊。
先程,なんとか生活できる程度に復旧したのだが、疲れました。それと、とりあえず片付けることを優先したので、本の山に色々な時期に買った本が混ざってしまい、古本も新刊も読了本も未読本もごちゃごちゃになってしまった。これでますますあるはずの本が見つからない迷宮へと我が部屋は変貌していくのであった。