明るい表通りの本屋。

最近寝不足気味で、職場でもやたらと眠い。明日になると一挙に仕事が押し寄せてくることが分かっているので、あまり遅くならないうちに退勤する。
本屋により、1冊。

昨日、いくつかのブログで“やっぱり本屋が好き”という特集をしていると知ったので。特集自体は、好きな本屋のアンケートに書店員対談にエッセイが2本というのがその概要。岡崎さんのエッセイを読む。インディペンデント系の小さな本屋を取り上げ、本屋のサニー・サイドを見ようとしたもの。フィクショネス、トリック+トラップ、ハックネット、ユトレヒトが取り上げられている。前の2店にはまだ行ったことがない。実は、昨年の夏にフィクショネスの店の前までは行ったのだが、夏休みということで店内に入ることはできなかったのだ。本屋で利潤をあげることの難しさは誰の目にも明らかになりつつある中で、本屋をやろうとする若者が増えているという現象や今年行われた一箱古本市の盛況に見る本に対する需要の存在を岡崎さんは語る。その中で心に残る《いまの世の中で書店を独立開業するということは、煎じ詰めれば「生き方」の問題なのだ。》という言葉。僕は、単純に書店が商売として成り立ってほしいし、そういう世の中であってほしいととりあえず願う。
坪内祐三さんの連載「雑読系」は、「エドマンド・ウィルソン批評集 社会・文明編」(みすず書房)を取り上げている。坪内さんのウィルソン好きはよく知っていたので、この本についてどこかで触れるだろうと思っていたのだが、この欄での言及となった。ウィルソンのジャーナリスティックな感性について豊富な引用を使って述べている。刊行が予定されている文学論集編には興味あり。
家で夕食を済ますと、俄にブックオフへいきたくなり、外出。ipodをシャッフル機能にして聴きながら歩く。1時間ほどの滞在で105円棚から4冊。

上原本は、先日「雨の日と月曜日は」(新潮文庫)を読んだので。
山下武さんの古書シリーズは何冊も出ているので、どれを買ったか忘れてしまいそう。
アメリカの鱒釣り」も犀のマークが似合う本。7月に新潮文庫に入るけどやはり親本で持っていたい。
小沢本は題名で内容を勘違いしていた本。目次を見たら木村荘平や稲垣足穂に関する文章が入っているではないか。即かごに入れる。
ビデオテープの棚を眺めていたらこんなものが。

既に持っているのに550円だったので買ってしまう。このビデオとブックオフで出会うとは。kanetakuさんに進呈しようかな。
CD棚からはこのアルバムを見つける。

昨日聴いていた「Piano Nightly 」に先立つカバーアルバム。佐野元春「SOMEDAY」がすごい。コアな佐野元春ファンが聴いたら泣き出してしまいそうなくらい原曲の雰囲気を思い切り壊している。原曲への敬意を持ちながらも遠慮なく自分の歌にしてしまっているその潔さをよしとしたい。でも、最初に聴いたときは正直、「これ、なに」とびっくりした。
帰りもipodを聴きながら。ジャズの次に落語が始まる。シャッフル機能は音楽と落語を分けることができないのだ。しかも、頭出しができる噺の内容の区切りを1曲と判断するので、突然途中から始まることになる。今日は志ん朝師匠の「文七元結」の文七が売掛金の50両をなくして身投げするところを左官屋に止められる場面だ。娘が吉原に身を売ってこさえた50両の金を左官屋が文七にやってしまうという現実離れした設定をじっくりと二人のやり取りを描くことで聞き手に納得できる感情にして聴かせる技術がすばらしい。これからという時にジョアン・ジルベルトのボサノバに変わってしまう。落語に食傷気味という人にはこのシャッフル機能はおススメだ。先が聴きたいという気持ちを盛り上げてくれるから。家に帰り着いた時には、曲は小林旭の「さすらい」になっていた。
 SUPER FOLK SONG