寝不足は読書の敵だ。

朝からバタバタと仕事が目の前に流れてきて、そしてアタフタと過ぎて行く。ただボケーッとしていなければいけない仕事と人間関係がピリピリするような仕事が交互にやってくる一日。午後には職場のカウンセラーの方を囲んだ懇談会に出席し、夕方から席を移して親睦会。今流行のオーガニック系和風居酒屋のようなところ。出てくるもの出てくるものみな野菜ばかりで心配していたら、最後に黒豚やジャコご飯などが出てきてホッとする。野菜も好きだけどベジタリアンじゃないから、体にちょっと悪そうなものが少しは欲しくなるのだ。
解散後、有隣堂を覗いてみるが、探している森山大道「続犬の記憶」(河出文庫)と黒岩比佐子伝書鳩 もうひとつのIT」(文春新書)は見当たらず。また、近代ナリコさんの新刊も姿が見えない。何も買わずに電車で帰る。
今日の携帯本である嵐山光三郎「古本十八番勝負」(集英社新書)を車内で読もうとするが、睡魔に襲われ、何度も本を落としそうになる。今日カウンセラーの方が「人間は睡眠によって幸せを感じることのできる物質××ミンを作ることができる。これは人間の体内だけで作れるもので薬で代用することはできないのです」と言っていたことを思い出す。睡眠は大切なのだ。寝不足は敵だ。読書にとっても。
家に戻ると、アマゾンからCDが1枚届いていた。

過日、ブログ「ある日」(id:tranquility)で紹介されていて興味を持った1枚。最近足を踏み入れた店ではことごとく置いておらず、結局アマゾンに注文を出していたのだ。実は、矢野顕子という人の舌足らずな歌い方にこれまでどうも抵抗があり、CDを買ったのも初めて。
今回改めて聴いてみると、嫌な感じは全然しない。ピアノによる弾き語りというシンプルな構成が墨絵のように落ち着いた印象を与える。そして自分の好きな曲を歌っているという静かな高揚感が伝わってくる。今日聴いた印象ではサティみたいなイントロで始まる4曲目の「思い出の散歩道」(アグネス・チャン)や時々小さなスキップが入る緩やかな歩みを思わせるような「愛について」(友部正人)に心惹かれる。
今夜も「市井作家列伝」を読み続ける。忘れた頃に顔を出す奥さんの存在が楽しい。
Piano Nightly