気になる文庫。

今日は朝から雨。昼は蒸し暑く、夕方からは肌寒い。花散しの雨となり、職場近くの桜もほとんど花を路面に広げていた。
BOOK CLIPが更新された。気になる5月の新刊文庫を文庫別に以下に列挙してみる。

【角川文庫】
矢作俊彦「リンゴォ・キッドの休日」
河出文庫
尾辻克彦「肌ざわり」
講談社文芸文庫
江藤 淳「作家は行動する」
講談社文芸文庫編「日本の童話名作選 明治・大正篇」
講談社文庫】
柳家小三治「バ・イ・ク」
集英社文庫
関川夏央「石ころだって役に立つ」
小学館文庫】
森下雨村「釣りは天国」
ちくま文庫
快楽亭ブラック伊藤秀雄快楽亭ブラック集」
【中公文庫】
野村無名庵「本朝話人伝」
鹿島萬兵衛「江戸の夕栄」
【文春文庫】
アン・タイラー「結婚のアマチュア

まず、中公文庫の2冊に注目した。人気の絶版文庫で1000円以上つけている店も多いものがそれ以下の値段で復刊。がっかりきた古書店主の方もいるのではないか。僕も古本屋で両方とも手に入れたが、300円程度の値段であったのであまりショックはないものの、どこか残念な思いもある。
小学館文庫は先月に続いて森下雨村。今、なぜ。
文春文庫のアン・タイラー小林信彦岡崎武志両氏がオススメの作家。ブックオフで何冊か手に入れているのだが、まだ読んでいない。いつか読み始めようと思いながら果たせず。そんな作家や本が多すぎると我ながらあきれてしまう。
5月の個人的注目本は講談社文芸文庫江藤淳「作家は行動する」。大学時代何度か評判を耳にしていたこの本が文庫で登場する。この機会に是非読んでみたい(ああ、この言葉も何度連ねたことか)。
仕事帰りの本屋で雑誌を1冊。

次号からフリーペーパー化することになったため、用意していた原稿をすべて盛り込んだというような肉厚な1冊となっている。特集や小特集の文章に混じって永江朗・笈入建志(往来堂書店)・木川浩一(ブックファースト渋谷店)による「21世紀の書店」という鼎談が収録されている。見過ごされやすいと思うので触れておきます。
また、『Coyote』No.5に連載されている松浦弥太郎氏(cowbooks店主)の連載でニューヨークの古本屋が紹介されている。古本屋の写真がいい。不思議とニューヨークは行きたいと感じない都市なのだが、ここで紹介されている古本屋巡りのためなら行ってもいいかなと思う。簡単なコメントを付された書店のリストとイラスト地図が掲載されている。この連載のページだけ紙が薄いざらっとした質感のものにしてあるのも編集者と著者のこだわりが感じられる。外国の古本屋好きの人は手に取ってみてください。