小林信彦のシャツとジャズのジャケット

今日は休日出勤で、一日野外での仕事となる。雨の予報があって心配したのだが、快晴。暑いくらいであった。
仕事帰りに雑誌を2冊。

  • 『東京人』5月号
  • 『pen』4月15日号

『東京人』の特集は“東京の地名”。巻頭の対談が小林信彦氏と近藤富枝さん。昭和40年代に行われた地名変更について語り合っている。内容はこれまでの小林氏の文章で御馴染みのものなので特に目新しさはなかったが、対談中の氏の姿を写真で見てその服装に目がいった。全体的には落ち着いた色合いなのだが、ジャケットには赤と黄色の縞がうるさくない程度にはいっているし、袖口からのぞいているシャツにはうっすらと赤い花の柄が浮かび上がっている。さすが、商家の旦那になるべく教育を受けて来た方だなあと感心する。あからさまにならない形でお洒落をするなんて、粋ですね。
小林氏は、自分の生まれた旧日本橋区両国が「東日本橋」に変えられてしまったことを嘆いている。その箇所を読んでいて、就職浪人時代にアルバイト先へ行くために使っていた東武線の玉ノ井駅の名前が地名変更にともない突然「東向島」になった時の気持ちを思い出した。永井荷風滝田ゆうで馴染みの深い玉ノ井が急に消えたことに残念な思いがしたものだった。
小特集の“学生街いまむかし”には本郷、お茶の水、神保町などとともに早稲田の昔と今の写真が並べられている。ちょうど向井透史さんからいただいた『未来』の連載(「開店まで 早稲田古書店街外史」)をまとめて読んだところだったので、古書店のご主人たちの若かりし頃の早稲田と写真の街がだぶる形になった。
「店番日記」によれば向井さんの連載が『未来』5月号より再開されるとのこと。楽しみである。
『pen』はジャズのデザイン特集。主にジャズレコード(CD)のジャケットデザインが取り上げられている。見慣れたものが大半だが、知らないレコードとジャケットも結構あった。やはり、ジャズはスタイリッシュな音楽なので、ジャケットを含めカッコよくなければいけない。ここには取り上げられていなかったが、BILL EVANS 「PORTRAIT IN JAZZ」のジャケットなどは、僕にとってカッコいいジャズを体現した1枚だ。
Portrait in Jazz