幻の新書。


今日も暑い。
やらねばならない仕事がいろいろあるのだが、職場で上司が電気代の無駄だからあまり夜遅くまで残って仕事をするなというお触れを出したのを聞き、バカらしくなって7時には退勤する。


本屋へ。

「退屈男と本と街」を読んで『en-taxi』の判型が大きくなっているとは知っていたが、実際に実物を見た時にはちょっと驚いた。表紙画が明るいリリー・フランキー画伯のものになっている。見出しを眺めて思わず絶句。石原慎太郎×立川談志対談、特集“小林信彦街の記憶/消滅の記憶”(小林氏の新連載と小林信彦×坪内祐三対談に小林泰彦氏のエッセイまで収録)、座談会「文学の器」は“生誕百年坂口安吾−−奔流するエッセイの零度の場所”という充実ぶり。加えて今号より坪内さんの新連載評論「風景」が掲載されている。即決でレジへ。


駅前のつけ麺屋で夕食をとり、帰宅。
ポストには古書現世から目録注文品が届いていた。
3冊注文してこの2冊があたる。


さっそく『en-taxi』を読む。小林×坪内対談を読んでから小林氏の新連載「日本橋あたりのこと(仮題)」に入る。あまり資料が残されていない戦前の両国や日本橋について内側から記録することを目的としたエッセイだ。「うらなり」に続く氏の仕事はこれか。文中、《「荷風と潤一郎」という文章を、某新書にまとめようとしたのだが、この二人を論じたものが同じ新書で出たために、やめてしまった。》とあり、残念。こういうチクリと読者の気持ちを煽ったりするのが小林氏はけっこう好きなのだと思う。


その後、久世光彦「書林逍遥」(講談社)読了。取り上げられた本がすべてカラーで書影が掲載されているのがいい。東山魁夷画伯の絵を使った川端康成「片腕」とみすず書房らしい白いカバーにペン画でシンプルに女性の顔が描かれた小沼丹「村のエトランジェ」に目がいく。


今日の4000番台。

ブルース・イン・トリニティ

ブルース・イン・トリニティ


ロンドンで活躍していたトランぺッターのディージー・リースのブルーノート初リーダー・アルバムが4006番。ゲストとしてドナルド・バードアート・テイラーが録音場所のパリに行っている。初物のリースのお目付役に呼ばれたらしい。この後2枚目のリーダー作を出しているから、まずは合格といったところか。5曲目には「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」が。パリでこの曲というだけでグッときます。


読了1。
【購読できる新刊数=1】