この一週間は、自分を取り囲む環境にガッカリし、周囲の人々にガッカリし、それにも増して自分自身にガッカリし続けた日々だった。
それでも今日はやってくるし、そのガッカリな自分と一緒にやっていくしかないんだよな。本日も休日出張屋内仕事。ただ、仕事現場には昼までに行けばいいので朝寝ができるのがありがたい。金曜の退勤時間が夜11時だったため、昨日は一日ボウっとしていたようなものだった。朝8時に床を離れて、朝風呂に浸かる。BGMは最近出たMr.Childrenのベストアルバム。「CROSS ROAD」で湯船に入り、「花-Memento-Mori-」で風呂場から出た。
昨日サンジェルマンで買ってきたプレミアム食パン(2枚入り)をこんがりとトーストし、目玉焼きを作り、ハムとごぼうサラダでたっぷりと遅めの朝食をとる。昼過ぎに仕事が始まると夕方までものを口にすることはできないから、昼抜き前提で腹ごしらえをしておく必要があるのだ。
今日の仕事場所は横浜駅を越えて東海道線で数駅の場所。仕事が終わったのが5時過ぎ。6時過ぎには横浜駅まで戻ってきた。野外仕事をやめれば苦手な休日の横浜駅に来ることも減るだろうと思っていたが、さにあらず。来なくてはならないなら、それをプラスに変えるまでだ。有隣堂に寄って地元では買えない本を買っていこうと決める。
- 藤井光・編「文芸翻訳入門」(フィルムアート社)
英語の読み書きのできないこちらには関係のない本なのだが、昔から翻訳者のエッセイや翻訳裏話的なものを読むのは大好きなので欲しかった一冊。目次に沼野充義・谷崎由衣・阿部公彦・管啓次郎・西崎憲・小林エリカ・戌井昭人と言った名前が並んでいればなおさらだ。
有隣堂の平台には又吉直樹新作「劇場」がドカンと並んでいた。掲載誌の『新潮』を持っているのでちょっと視線を送るだけで通り過ぎる。そういえば、昨日寄った地元の本屋でもすでに「劇場」は平積みになっていたな。当然、昨日も買わずに代わりにこれを買った。
- 東秀紀「アガサ・クリスティーの大英帝国」(筑摩選書)
以前に読んだ「漱石の倫敦、ハワードのロンドン」(中公新書)の著者がアガサ・クリスティーの作品を通して大英帝国の「観光」について考察した本。クリスティー作品でミステリーに目覚めた人間としては興味深い。それにしても“漱石の倫敦、ホームズのロンドン”と題名のかぶる本がまた出てきたが、思いついていたのは自分の方が早いと言い訳しておく。
有隣堂を出て、高島屋並びの茅乃舎で和風ピクルスの素を買う。だんだん気温が高くなってくると酸味のあるピクルスが食べたくなる。ストレートなピクルスよりも、和風のだしが入ったこの味が気に入っている。
帰宅して、昼食抜きの胃袋をリンゴと冷凍餃子と糖質オフ麺の納豆和えとトマトサラダで満たす。しばらくアナログレコードを聴いていなかったので、ディアゴスティーニから送られてきたこれをプレーヤーにのせる。
- エリック・ドルフィー「アウト・トゥー・ランチ!」(BLUENOTE)
ジャケット写真からもわかるように「アウト・トゥー・ランチ!」は「昼食のため外出中」の意味。「WILL BE BACK」とガラス越しに見えるメッセージは実現されなかった。このアルバムを吹き込んだ後にヨーロッパツアーに出たドルフィーは現地で帰らぬ人となったから。外出先で昼食をとらなかった僕が聴くのもおかしいようなアルバムだな。そのちぐはぐさが丁度いいような不協和音を通常の和音とするような滑らかなギクシャクというのがドルフィーの作り出すジャズの印象。正直、フリージャズはあまり好きではないが、ドルフィーのアルバムを聴いて嫌な感じを抱いたことはない。今夜もその感想に変わりはなかった。