ロンパリの4月。


 7時に起床。録画しておいた「孤独のグルメ season6」を観ながらトーストと目玉焼きで朝食。今回、井之頭五郎は大阪でお好み焼きと串カツを食べる。大いなるマンネリ。それでいい。いつまで続いてもいいし、いつ終わってもいい。そんな感じ。



 昼前に家を出て職場へ。4月になって新しいことがあれこれと始まり、やらなければならないことが山積みなのだ。小雨がそぼ降っており、満開の桜が少しかわいそう。職場にも小ぶりな桜の木が何本かあってその横を通りながら入口に到着。同じセクションの同僚たちが思ったより多く休日出勤していた。仕事に追われ、同じ思いで来ているのだろう。朝食で余った食パンと途中のコンビニで買ったサラダとコーンスープでの昼食を挟んで5時過ぎまで仕事。あれこれやった割にはあまり捗らず。複数の新しい仕事が入ってきているため左右の目で同時に別のものを見ながら仕事を進めるくらいじゃないとやって行けないんじゃないかと弱気になる。


 職場を出てもまだ小雨はやんでいなかった。行きよりも路上に落ちた桜の花びらの数が増えたような印象。駅への坂道を歩いていると向こうからくる女性にどこか見覚えがある。誰だろうと見直してみると思い出した。以前に通勤途中で毎日のようにこの坂ですれ違っていた女性だった。最初にすれ違った頃は制服姿だったはずだ。その後大学へ進学したのかカジュアルな私服となり、そして就職したことを思わせる服装になってしばらくはすれ違っていたはずなのだが、いつの間にか朝の通勤風景の中から彼女の姿は消えていた。久しぶりに見る彼女は小学生くらいの子供を連れていてもおかしくないような落ち着いた大人の女性になっていた。最初は彼女のお母さんではないかと思ったが冷静になってみると最後に見たのは10年以上も前のことなのだった。



 駅前のグランド脇にも桜の木があり、街灯に照らされてその残り少ない晴れ姿を見せている。この春は花見に行けなかったので今日で見納めになりそうな桜をあちこちに求めてしばしの観桜を楽しむ。そして駅ビルの本屋へ。

  • 河野通和「『考える人』は本を読む」(角川新書)


「考える人」は本を読む (角川新書)
考える人 2017年 05 月号




 河野氏は新潮社の雑誌『考える人』の編集長。先日休刊が決まった『考える人』の最終号を買ったばかりだったので思わず手に取った。氏の選んだとっておきの25冊の本をすすめる読書案内なのだが、開いたページに内堀弘「ボン書店の幻」(ちくま文庫)が取り上げられていたので購入を決定。ちくま文庫版「ボン書店の幻」はマイフェイバリットなのでこれに触れているものはやはり買っておきたい。ちくま文庫版にこだわるのは文庫用に書き下ろされた後日談がとても素晴らしい文章だからだ。まだ読んでいない本好きにはぜひ読んでもらいたい一冊。



ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)



 帰宅して録画しておいた木皿泉脚本、perfume主演のドラマ「パンセ」を観る。人生パッとしない女の子3人が格安の洋館を手に入れてみるとそこには引きこもりの40男が住んでいた。3人と引きこもりオヤジの力丸との交流を描く。木皿脚本なので安心して観ていられる。perfumeの演技もいい。のっちがスマップにおけるキムタクの役割を果たしている。木皿ドラマ常連の片桐はいりの存在も手堅くドラマを締めている。



 定期購読しているディアゴスティーニの「ジャズLPレコードコレクション」のNo.15が届く。


Alfie


 マイケル・ケインが主演した映画「アルフィー」のサントラを再演したのがこのアルバム。友人に勧められて最初に聴いたのはもう20年近く前になる。特徴的な「アルフィーのテーマ」のフレーズが耳に残る。この曲を聴くと英国を思い出す。ロンドンを舞台とした英国映画だということもあるが、この曲を知ってすぐに初めて英国に行き、ロンドンや漱石も訪ねたスコットランドのピットロッホリーを歩きながら脳内で何度もこの「アルフィーのテーマ」がリピートされていた。その時の英国滞在のテーマソングがまさにこの曲だったのだ。



 その次にはこれを聴く。このレコードのB面には「パリの4月」が入っている。このアルバムのこの曲が一番好きだな。4月になると聴きたくなる。


サラ・ヴォーン・ウィズ・クリフォード・ブラウン+1