気が付けばもう大晦日。
大掃除は昨日の窓拭き等で一応終わったことにして、出かける。
前回、テアトル新宿で観た時はその印象を言葉にすることができず、心の中にモヤモヤとしたものが残った。その後、町山智浩「映画ムダ話」を聴いたり、原作・こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社)を読んだりした。それぞれに感銘を受けたし、その素晴らしさを同僚に語ったりもした。それでもまだ、自分の中でうまく着地してくれた感じはなかった。
- 作者: こうの史代
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- 発売日: 2008/01/12
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大晦日でもあり、年越しのイベントのような感じでエグゼクティブシートを奮発した。ところが、周囲のエグゼクティブシートに座る子供の多さにこの地にはどれだけ金持ちの親がいるのだと贅沢の背徳感を下敷きにした自分の喜びがなんだか馬鹿らしいものに思えてしまう。アニメとは言っても小さい子供たちにはちょっと難しいのではないかと心配したが、みんな騒ぐことなく静かに観ていた。この映画の持つ力を過小評価していたと反省する。
2度目はストーリー展開を知っていることもあり、素直に笑ったり、ハラハラしたり、そして涙を浮かべることもできた。映画館を出ると気持ちが軽くなった。ただ、「いい映画だな」と思う。「それでいいじゃないか」と思った。この映画に出会ったことで、こうの史代という魅力的な漫画家を知ることもできたし、「夕凪の街 桜の国」(双葉社)を読むこともできた。
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
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映画館の下にある蔦屋家電に入る。先日の知人宅での忘年会でここが本屋でもあるということを知ったため、是非寄っておきたいと思ったのだ。円環状の通路とそれに沿って設えられた本棚。思ったより本の量も多く、初めての僕にはまるで迷路のようにどこまでも本棚が続いているように感じられてちょっとゾクゾクした。夏葉社の本やミニコミ『ヒトハコ』も並んでいるのも好感が持てた。そこでこの2冊を購入。
- 得地直美「神保町」(夏葉社)
- 「冬の本」(夏葉社)
- 作者: 得地直美
- 出版社/メーカー: 夏葉社
- 発売日: 2016/12
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「冬の本」は2冊目。増刷したと聞いていたので贈答用に1冊買っておくことにした。
それにしても二子玉川という街はドレスコードでもあるのかと思うほど街を歩いている人たちの服装が高価そうで余所行きで何となく僕には息苦しい。駅周辺はどこもかしこもピカピカで落ち着ける淀みのようなものがないんだよな。
帰りの乗り換え駅である自由が丘で下車して昼食。この街はいい意味で少しくすんでいて居心地がいい。夜にご馳走を食べる予定なのでここはマクドナルドのグラコロバーガーで済ませておく。この街に来るときは必ずよる駅前の不二屋書店で1冊。
- 『ちゃぶ台』(ミシマ社)
- 作者: ミシマ社編
- 出版社/メーカー: ミシマ社
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ミシマ社が以前にこの自由が丘にあったからだろう“地元の出版社ミシマ社コーナー”があるのがうれしい。そのためミシマ社の雑誌『ちゃぶ台』の創刊号を買っておく。益田ミリ、内澤旬子、ホホホ座、佐藤ジュンコといった執筆者もいい。
最寄駅の駅ビルでいい牛肉を奮発し、しらたき、長ネギ、白菜、焼き豆腐も買った。今晩はすき焼きだ。実家は昔から大晦日にすき焼きをする。弟が実家を仕切るようになってもそれは変わらなかった。ふた親がいなくなった実家に帰省することは昨年からなくなった。大晦日はひとり家で過ごす。でも、すき焼きはやっておきたいのだ。
玉子を二個使ってすき焼きを食べ(牛肉がうまかった)、蜜柑をむきながら紅白歌合戦を見つつ年が暮れていく。
今年もありがとうございました。こんな不定期で長期更新なしのブログを読んでいただき感謝しております。
また、来年もよろしくお願いします。