ポンドの借りを円で返す。

 今日、職場はイベントの日。


 職場のホールには千人弱の人が集まっている。壇上からこのお客さんを前に自分のしている仕事について説明をするのが今日のおつとめ。ハア、なんどやっても慣れないよ。


 その後は、質問コーナーで来客からの質問に答え続ける。これが午前と午後の2回。疲れるんだなこれが。


 仕事を終えて席を立つ時、引き出しから封筒を取り出す。これは昨日同僚から渡されたものだ。この夏一緒に英国出張に行った同僚の手にあった封筒には、かの地で貸した100ポンドが日本円になって入っていた。おお、忘れていたよ、とちょっとうれしい。



 封筒を携えてもちろん本屋へ。

魔法の樽 他十二篇 (岩波文庫)

魔法の樽 他十二篇 (岩波文庫)

辞書の仕事 (岩波新書)

辞書の仕事 (岩波新書)



 岩波文庫の新刊と岩波新書の新刊から1冊ずつ。「レンブラントの帽子」(夏葉社)のマラマッドの短編集。的確な書評の書き手でもある阿部氏の訳と解説も楽しみだ。「辞書の仕事」は岩波書店で辞書担当の編集者であった増井氏による辞書の話。最近多く出版されている辞書関係の新書は主に辞書の項目の書き手であった辞書編纂者によるものであったのに対し、出版社側の編集者の視点で書かれているというところが本書の特徴だろう。
 この2冊で10ポンドちょっとか。




 帰宅するとポストに芸術新聞社から封書が。中には草森紳一「李賀 垂翅の客」(芸術新聞社)の案内が入っていた。今年3月に刊行されたこの本の存在を知っていたがまだ購入してはいなかった。僕宛に案内が届いたのは追悼出版された「草森紳一が、いた」を草森紳一回想集を作る会に申し込んで購入した経緯によるもののようだ。大部でそれなりの値段のする本だから気楽には買えないが今日は英国土産があるから44ポンドあまりのこの本を購入することに決める。



李賀 垂翅の客

李賀 垂翅の客



 断続的に続けてきた英国出張中から溜めてきた「あまちゃん」の録画を観る会も今日が最後。やっと英国出張の借りを「あまちゃん」に返したような気分だ。すでに観た最終週をもう一度鑑賞する。やはり、鈴鹿ひろ美の歌う「潮騒のメモリー」は感動的だ。“親譲りのマーメイド”という歌詞の意味に今回初めて思い至る。8月後半から9月にかけての「あまちゃん」を観ていて思ったのは、不良から復活してからの橋本“ユイちゃん”愛のすごさだ。顔の表情がすごい。腕っこきぞろいの出演人の中でもこの人頭抜けてすごいよ。能年玲奈はどこまでいっても能年玲奈だが(それが彼女の魅力であるのだが)、橋本愛はまごうことなく女優である。末恐ろしい子だ。