草に寝転ぶあなたが好きだったの。

 本日は休日出張野外仕事で湘南地方まで行く。


 横浜から多少とはいえ南に向かうので太陽光線も強くなっている気がする。暑い。自分でもびっくりするくらいの汗を朝からかく。


 期待していた成果はでなかった。この成果が上がれば25年以上関わってきたこの方面の仕事からは手を引いて自分のメインの仕事に集中してもいいかと思っていたのだが、やはり思うようには行かないのが人生であるなあ。そうはいっても、体力と時間を奪うこの仕事に全力を投入できるような状態にはなく、直接関わっているのは若いスタッフであり、自分は総括責任者的な立場でしかないため、もし成果が出たとしても個人的な達成感はあまりないというのが正直なところ。スタッフや関わった人たちにとって喜ばしい事態になることを自分も喜びたいという思いがあるだけだ。潮時とずうっと思っているが思ったところで職場がそれを受け入れてくれるとも思われない。この中途半端な状態は夏の暑さとともにしばらく続くことになりそう。


 地元に戻り本屋へ。

  • 「本なんて! 作家と本をめぐる52話」(キノブックス)



 こんな本が出ているなんて知らなかった。また寡聞にしてキノブックスという出版社があることも耳に入っていなかった。書き下ろしではなく、様々な作家がこれまでに書いてきた本に関わる文章を集めたアンソロジー。造本にもちょっと凝っていて目を引いた。目次を見ると“穂村弘 開高健 角田光代 草森紳一 椎名誠 長嶋有 夢野久作”といった並びや“いとうせいこう 園子温 室生犀星 多和田葉子 鈴木清順 万城目学 出久根達郎 西村賢太”なんてちょっと面白そう。




 帰宅して明日の仕事の準備をしながら最近よく聴いているこのCDを流す。

  • 松本隆 作詞活動四十五周年トリビュート 風街であひませう」(Victor)



 1枚目の「風街でうたう」は松本隆作詞の作品をオリジナル曲の歌い手ではない人たちがカバーして歌っている。“01 手嶌葵/風の谷のナウシカ”、“02草野マサムネ/水中メガネ”、“03クラムボン/星間飛行”の最初の3曲の流れが気に入っている。“06YUKI/卒業”を聴いて斉藤由貴が歌っていたオリジナルでは気づかなかったこの歌の愛らしさに「ほぉ」と相槌をうった。


 もう一枚の「風街でよむ」は松本作品の歌詞を俳優・女優が朗読している。“05山田孝之/はーばーらいと”、“07加瀬亮/夏なんです”、“08有村架純/魔女”などが個人的に好感が持てる。


 初回限定版は本の体裁になっており、表紙にあたる部分のイラストはほしよりこ画によるレモンイエローのワンピースを着た女性が草に寝転んで本を読んでいる姿。その他の部分にも彼女の姿のイラストがあれこれと配されている。これもいい。