20をめぐる悔恨。

 今週も仕事に追われているうちに週末を迎えた。


 そんな生活の中でうれしかったことは、地元の本屋でこの本と出会ったこと。

夕暮の緑の光 (大人の本棚)

夕暮の緑の光 (大人の本棚)

 本を買ってすぐ近くの手打ちうどん屋に入ると、「今うどんが打ち上がるところなのでちょっと時間がかかります」と言われた。それは好都合とまず巻末の岡崎武志さんの解説文を読んだ。読み終わるとこのエッセイ集の次に部屋のどこかにおいてあるはずの「諫早菖蒲日記」を読まなくてはと思った。もう20年以上前、諫早出身の大学の同級生が所属していた研究会の会誌に「諫早菖蒲日記」のすばらしさを書くとともに「ぜひ読んでほしい」と呼びかけていたことを思い出した。当時はそれを軽く読み流してしまっていたが、あの時その気になっていたら野呂邦暢という作家ともっと深く親しむことができたのではないかと残念に思う。故郷に帰っているその同級生への謝罪もかねていつかはこの作品を読まねばならないだろう。
 解説に続き、「山王書房店主」と「S書房主人」を読んだところでうどんが来た。


 なんだかこのまますぐに読んでしまうのがもったいなくなり、野呂本はいったん置いて、読みかけて止まっていた村上春樹「1Q84 BOOK3」の続きを読み始める。あれこれ言われるだろうし、あれこれ言いたいこともあるが、とにかく読ませるのはさすが。あと少しで読み終わる。




 水曜日に外市のための本を箱に詰めて往来座へ送る。今回は余裕がなく50冊ほどしか準備できなかった。20回目の外市なのでもっと充実させたかったのだが、いたしかたない。また、仕事が土日に入っているため、ほとんど動けず。なんとか土曜の夜に顔を出すつもり。
 

 天気もよいそうなので、多くの人に足を運んでもらいたいものだ。


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 「伴健人商店」の出品は以下の通り。
 


河盛好蔵訳編「ふらんす小咄大全」
安藤哲也・小田光雄永江朗 「出版クラッシュ」
赤塚不二夫「バカは死んでもバカなのだ」
グレゴリ青山「ナマの京都」
池田満寿夫「エロチックな旅」
松田瓊子「紫苑の園」
岩瀬成子「オール・マイ・ラヴィング」
大佛次郎白い夜
アスペクト編集部「本棚の世界」
アスキームック「本棚の本」
『群像』1993年1月号
野坂昭如「『終戦日記』を読む」
ヘルマン・ヘッセ「世界文学をどう読むか」
吉田満戦艦大和ノ最期」
高橋義孝「まぬけの効用」
文藝春秋編「大アンケートによるミステリーサスペンス洋画ベスト150」
山本健吉「ことばの歳時記」
戸板康二「あの人この人」
田村隆一「半七捕物帳を歩く」
ティム・オブライエン「ニュー・クリア・エイジ」
渋谷陽一 「ロック ベスト・アルバム・セレクション」
佐野眞「辞書事典字典ベスト255ガイド」
谷川俊太郎「散文」
ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」
芥川也寸志「音楽を愛する人へ」
赤塚不二夫赤塚不二夫傑作選1」
ヘンリー・ジェームズ「金色の盃(上)」
斉藤政喜内澤旬子「東方見便録」
葦原邦子 「夫 中原淳一
佐藤優責任編集「ノンフィクションと教養」
小谷野敦 「文学研究という不幸」
稲田和浩・守田梢路「ザ・前座修行」
山口瞳「木彫りの兎」
山口瞳・赤木駿介「日本競馬論序説」
山口瞳「困った人たち」
山口瞳「冬の公園」
山口瞳「素朴な画家の一日」
山口瞳「卑怯者の弁」
山口瞳「酔いどれ紀行」
山口瞳「江分利満氏の優雅なサヨナラ」
山口瞳「青雲の志について」
山口瞳「梔子の花」
武田泰淳蝮のすえ/「愛」のかたち」
天牛新一郎「われらが古本大学」
柳父章翻訳語成立事情」
四方田犬彦「映画のウフフッ」
山口治子「瞳さんと」
武藤康史「クイズ新明解国語辞典
片岡義男「青年の完璧な幸福」
山田稔「何も起こらない小説」
谷口ジローセンセイの鞄1」
谷口ジローセンセイの鞄2」