小説家と豆腐屋。

 今仕事で組んでいる同僚が結構アバウトなのでとりあえずA型気質である僕としては仕事は先に進むがなんだかすっきりしない。「壺算」でだまされた店主が言う「商売をしたはずなんだけどなぜだか達成感のようなものが感じられないんですよね」というセリフの心境。

 

 仕事が早く終わったので以前から行こうと思っていた耳鼻科に行く。子供の患者が多いのか院長が子供に話す口調で語りかけてくるのが恥ずかしい。スーツ姿で診察台の上に横になって耳の穴を覗かれる。「はい、じゃあ、ジャブジャブをお願いします」と看護師さんに。耳の中に液体が注入され、吸引器で中身を吸われる。「はい、耳垢がいっぱい取れました。鼓膜の周辺が炎症を起こしてますよお」と言われ、なんだか気恥ずかしい。



 本屋へ。

小説家 (講談社文庫)

小説家 (講談社文庫)

 別にエロスとバイオレンスを求めたのではなく、小谷野敦氏が自伝的小説の傑作と紹介していた作品なので興味をひかれた。作者は『文藝首都』の同人であったため同人仲間の中上健次氏も登場し、また「月山」の森敦氏も重要な存在として出てくるらしい。面白そう。


 


 帰宅してコンビニで買って来た『週刊文春』から坪内祐三文庫本を狙え!」を読む。今回は松下竜一豆腐屋の四季 ある青春の記録」(講談社文芸文庫)を紹介している。坪内さんのアオリがうまい。たぶん、そのうち、買ってしまうな。きっと。

豆腐屋の四季 ある青春の記録 (講談社文芸文庫)

豆腐屋の四季 ある青春の記録 (講談社文芸文庫)