昨日今日と仕事。眠い目をこすりつつ松岡正剛「白川静」(平凡社新書)を読みながら出張場所へ向かう。
昨日うれし涙を流していた女の子が今日は悔し涙を流しているのを見ながら、婦女子というのはよく泣くものであるなあと思う。その点、男はいいカッコしい(その裏返しである偽悪も同じことだ)であるため平静を装って傍観を決め込む。感情をストレートに表現して美しく見えるにはそれなりにトウが立ってしまっているしね。
仕事を終えて本屋へ。気まぐれにこんなものを買ってしまう。
- 作者: 杜甫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/06
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
新潮社が出している朗読CDシリーズの一枚。漢詩の朗読と言えば、むかしよく日曜の早朝などにテレビをつけるとNHKで江守“岸井左馬之助”徹・朗読のものが流れていたが、こちらは天下の森繁。戦争中に中国でアナウンサーをやっていてその才能を同じく中国にいた古今亭志ん生師匠が絶賛したという逸話を聴いたことがある。それゆえ勝手に中国との相性もいいだろうと思えてしまう。
新潮文庫の棚前で同文庫の太宰治フェア。爆笑問題太田光編集のピンクの太宰治ムックも並んでいる。文庫の「惜別」の帯には“太田光のNO.1”というようなことが書いてある。僕ならこのそばに最近出た魯迅の光文社古典新訳文庫を置いておくけどな。
帰宅して風呂に入る。BGMに買って来たばかりの「唐詩を読む」をかける。杜甫の「春望」など有名なものはわかるが、それ以外のものが多数。ただそれでも漢文訓読調のリズムと語りが心地よい。湯船につかって大好きな唐詩を口ずさむ森繁と同じ風呂に入っているような不思議な気持ち。