埼玉生まれの江戸っ子。


 家を出て池袋に向かう。車中は野口冨士男「しあわせ|かくてありけり」(講談社文芸文庫)を読みながら。


 12時少し前に往来座に到着。すでに棚の前にはお客さんの姿が。


 今日は風もなく穏やか。伴健人商店の箱を見るとほどんど減っていない。日曜日はいつもお客さんの出が午後からになる。天候もまずまずなので人のでも悪くない。


 早速レジ間に平積みされていた先行発売のこの2冊を購入。


 残念ながら2冊を収めた化粧箱セットは完売して入手できず。


 1回目のレジ仕事を終えて、向井さん、NEGIさん、退屈男さんと往来座近くの中華料理屋で昼食。塩山さんがpippoさんに朝イチで怒られた話や昔向井さんが南陀楼さんの実家に本を買い取りに行った時の話などを聴きながら楽しく食べる。


 往来座に戻ると塩山さんとpippoさんが椅子を並べて話をしていた。どうやら和解が成立したらしい。午後3時を過ぎ、途切れることなく客足が続く。売上もよさそうなのだが、自分の本が減った様子がない。今日の追加分も箱の中で申し訳なさそうにその姿を見せていた。


 5時を過ぎると暗くなってきた。ライトが点灯され、なんだか夜店の雰囲気に。すぐ近くには大鳥神社の酉の市を告げる提灯の明かりが並んでいるのも雰囲気づくりに力を貸してくれている。


 最後の追い込みで今日持ってきた追加本を含めて数冊売れた様子。少しホッとする。気を良くして、売れ残っていたら買おうと思っていた本を数冊レジへ。

 6時過ぎ終了。いつものように撤収作業。みんな場数を踏んでいるので停滞することなく作業が進む。一段落したところで打ち上げの先発隊の一員として世界の山ちゃんへ。


 塩山さん、pippoさん、荻原魚雷さん、退屈男さん、武藤さん、手回しオルガンのオグラさんと同じテーブルで楽しく飲む。塩山ワールド全開。「うるせー、ジジイ!」というムトーさんの元気な突っ込みがテンポよく響く。


 恒例の売り上げ発表。伴健人商店は過去最低の売り上げ。売れた冊数は76冊持って行って10冊のみ。セレクトがマンネリ化している自覚もあり、やり方を見直す必要を感じる。商売でやっているわけではないのだが、自分が選んだ本が買ってもらえないというのはやはり寂しい。
 そういえば、今日、初参加の丸三文庫さんの彼女に先輩風を吹かせて外市の傾向と対策などを語ってしまったりしたのだが、あちらの方がこちらの倍以上の売り上げがあった。ああ、恥ずかしい。勉強して出直します。
 11時前に打ち上げ終了。飲み代がちょうど今回の売り上げと一緒。「宵越しの銭は持たない江戸っ子だねぇ」と褒められる。あまりうれしくない埼玉生まれだった。


 帰りは野口冨士男「かくてありけり」を読んだり、桂米朝「宿屋仇」を聴いたり。