緑と茶の誘惑。


 3日ぶりにいつもの時間に起床し、家を出て職場に行く。


 気を使う仕事を夕方まで。


 退勤して本屋へ。今日の昼は職場持ち、その分で文庫1冊でもと棚を眺めるとこの2冊が目に入る。

文学概論 (講談社文芸文庫)

文学概論 (講談社文芸文庫)

単線の駅 (講談社文芸文庫)

単線の駅 (講談社文芸文庫)


 2冊合わせた値段はとても一食分の食費では賄いきれるものではないのだが、「この間の土日連続の出張では昼食にシューマイ弁当が出たのでその2食分が浮いたし、9月後半の出張でも昼食が2日分でたから」と頭の中で加算して収支を合わせる。
 もともと欲しかった2冊なのだが、店頭でみるとその前者の深い緑と後者の濃い茶色のグラデーションに心つかまれる。



 帰りのバスでは桂米朝「不動王」を聴く。


 帰宅して高島俊男「ほめそやしたりクサしたり」を読みながら10時を待ち、本を閉じてNHK総合テレビをつける。今日は「プロフェッショナル」で柳家小三治師匠をとりあげるのだ。8月の池袋演芸場の昼の部トリを務める日々の中で、リューマチと戦いながら己の芸を見つめ続けるその姿を描く。「名人」を繰り返すナレーションや師匠に扇子や手ぬぐいの使い方をリクエストするMCの女性に多少の抵抗を感じながらも、約1時間小三治師匠を堪能する。大学時代、落語通の後輩からそれじゃあまりに常道過ぎてつまらないと言われながらも、志ん朝小三治両師匠に落語の面白さを教わった僕にとって、志ん朝師匠亡きあと小三治師匠の存在はやはり大きいのだと実感する。