雨はサタサタと。


 雨の予感がする日曜の朝、早起きして休日出張に出掛ける。


 昼前までもっていた空から急に雨粒が落ちてきて、あとはずうっと雨の中での仕事となる。


 夕方仕事が終わる。


 横浜駅西口の有隣堂でこれを。


 特集は“地方の文学”。巻頭インタビューは「『地方出版』の意味」と題して地方・小出版流通センター代表取締役の川上賢一氏。帰りの車内で読む。センターの誕生からアクセス閉店までが簡単に振り返られ、図書館における書籍のデジタルデーター化が地方出版にもたらす脅威が語られる。


 帰宅後、サッカーの「日本VSバーレーン」戦を観てから、高島俊男お言葉ですが…別巻1」を数編読む。「冥福」や「校」の意味を知り、「露伴随筆集」(岩波文庫)の注釈の危うさについて知る。偶然今日寄った有隣堂のPR誌『有鄰』に書いた文章が出てきたのでビックリ。


 その後、『週刊文春』の「文庫本を狙え!」で坪内祐三さんが、丸谷才一「月とメロン」所収の「出版社の社史」に触れていたので、読んでみる。一読、坪内さんの言うように和田芳恵編「筑摩書房の三十年」が無性に読みたくなる。


 探せば部屋の中に「筑摩書房の三十年」があるのだが、それはまた次の機会として、昨日買った「滝田ゆう傑作選 『もう一度、昭和』」から、「寺島町奇譚」ものを読む。頭の中に下駄が浮かび、思わす「むぐ」と言いたくなる。


 外はまだ雨。滝田ゆうの世界で雨は「サタサタ」と降る。