1万円のカビ。


 ゆっくりと起きて、昼過ぎに出掛ける。雨がやんだのを弾みとして溜まった仕事を片付けに職場へ行く。


 職場に着くと100人以上の机が並んでいるスペースに僅か4人しかいない。しかもそのうちの1人が僕の隣りの席だ。わざわざ休日出勤して、これだけスペースがあるのにお互いの存在を意識しながら肩を並べて仕事をしなければならないというのもなんだかなあという感じ。


 2時間ほど集中して仕事をした後、買ってきた昼食を温めて食べる。食後の楽しみは職場に置かれている数種類の新聞の読書欄をチェックすること。



 夕方区切りをつけて職場を出る。本屋へ。

  • 『Lmagazine』7月号


 特集は“恋する家具屋。”。昨日の『ななじゅうまる』といい、この『Lmagazine』といい、この地元の本屋もずいぶんと関西に厚い品揃えになってきたものだ。誰か関西出身の熱心な書店員がいるのかもしれない。


 いつものつけ麺屋で夕食。待ち時間には神西清チェーホフ「カシタンカ・ねむい」(岩波文庫)収録の神西清チェーホフの短篇について」を読む。


 食後の腹ごなしにサブカル系古本屋を覗く。100円棚にこれを発見。

  • 竹中労「山谷ー都市反乱の原点」(全国自治研修協会)

 もちろん、水ぬれによるムレとカビという難あり本だが、読むのになんの支障もない。後でネット検索してみたらある古書店だけが出品していてその値段が1万円を越えていた。このカビが1万円分かあ。


 帰宅して『Lmagazine』から山本善行さんの「天声善語」を読む。今回は「秋野不矩展」の話。この画家についてまったく知るところがなかったので、フムフムと読む。一度その絵と文章に触れてみたい。 


 教育テレビのETV特集で「サイボーグ009を作った男」という石ノ森章太郎特集を観る。僕は石ノ森漫画のいい読者とはいえない人間だが、「サイボーグ009」の世界に惹き込まれた。